『ハヤブサ消防団』川口春奈は完璧なキャスティングだった 彩の秘密がついに明らかに
それは彩が新興宗教に入信していたということ。宗教団体の名は「アビゲイル騎士団」。教祖と教団幹部たちが信者12人を拷問して殺害した事件後、教団は解散。しかし、元信者の中にはいまだに信仰を捨てず、事件すらも正しい行いだったと信じている者もいるという。そのことを太郎は彩と一夜を共にした翌朝に、真剣な表情の中山田から聞かされる。教団幹部の写真に写る彩と思わしき姿、教団広報として制作していた教団のPRビデオ。これまでの彼女言葉一つひとつの辻褄が合い、太郎を愕然とさせる。
第4話ラストには先述した、起きてきた彩が太郎に話しかけ洗面所へと立ち去っていくというシーンがもう一度描かれることになるが、冒頭での時とは太郎の表情、モノローグの口調は全く異なっている。それは幸せの絶頂から、失意のどん底へと叩きつけられたかのよう。言うなれば前者はそうであってほしかった太郎にとっての別の世界線であり、スピンオフドラマとしてTELASAで配信されている『恋の妄想♡消防団』の存在がより際立ってくる。
この先、期待したいのは川口春奈の演技である。第1話から所々で印象的な、言い換えれば自由な芝居を見せてくれている中村倫也。第4話では山原賢作(生瀬勝久)らが捕まえたマムシの話題から太郎が発する「マムシご飯」のセリフは、かつての研ナオコの「赤まむし」のように聞こえなくもない。それと同じとまではいかないだろうが、これから彩のベールが明かされていくことで、さらなる芝居が見られることは確実だ。
■放送情報
『ハヤブサ消防団』
テレビ朝日系にて、毎週木曜21:00~21:54放送
出演:中村倫也、川口春奈、満島真之介、古川雄大、岡部たかし、梶原善、橋本じゅん、山本耕史、生瀬勝久、麿赤兒、村岡希美、小林涼子、金田明夫、大和田獏
原作:池井戸潤『ハヤブサ消防団』(集英社)
脚本:香坂隆史
演出:常廣丈太(テレビ朝日)、山本大輔(アズバーズ)ほか
ゼネラルプロデューサー:三輪祐見子(テレビ朝日)
プロデューサー:飯田サヤカ(テレビ朝日)、木曽貴美子(MMJ)、小路美智子(MMJ)
制作協力:MMJ
制作著作:テレビ朝日
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