生田絵梨花は“元カノ役”にふさわしい魅力がある 『こっち向いてよ向井くん』での存在感

生田絵梨花の“元カノ役”にふさわしい魅力

 赤楚衛二が主演を務める7月期日本テレビ系水曜ドラマ『こっち向いてよ向井くん』では、元カノへの想いをひきずる向井くん(赤楚衛二)が10年ぶりの恋を始める姿が描かれる。その元カノ・藤堂美和子を演じているのが生田絵梨花だ。意外にもラブストーリーのドラマには初めて参加するという生田は、どんな演技を見せるのだろうか。

 生田演じる美和子は、向井くんとは同じ大学のボルダリングサークルで出会った。社会人になっても付き合いは続いたが、23歳の時、あることがきっかけで、どちらからともなく距離が生まれ破局。それ以来、向井くんとは会っていない。自分のことは自分でしっかりと考える性格だ。単純に価値観の違いで破局したということで、決して10年前に浮気などの決定的な裏切りなどがあったわけではないようだ。

生田絵梨花

 7月12日の初回放送では、今作の重要な鍵となる10年前の夜景の綺麗なリバーサイドで、向井くんは美和子を抱きしめ、「俺、今すっごい幸せかも。ずっとこうしていたい。美和子のこと、ずっと守ってあげたい」と伝えた。美和子の「守るって何から? どうやって? 守るって何?」というまさかの質問に固まってしまう向井くん。この答えを出せなかったから美和子と別れてしまったと思い、23歳の自分に頼り甲斐がなかったと、33歳になった今の向井くんはそう思っている。

 今作の見どころは、恋愛を忘れてしまった向井くんが、職場の後輩の真由(田辺桃子)や、元気(岡山天音)の店のスタッフである10歳下のアンちゃん(久間田琳加)らと不器用な恋愛をしフラれていく中で、洸稀(波瑠)がなぜフラれたのかをズバズバと指摘していく点にある。10年前の「守る」という言葉も美和子からしたら見下されていると思うと指摘するなど、なぜ10年前に美和子との恋愛が失敗したのかがそこから浮き彫りになってくる。ある意味“フラれる理由”の謎を解明していく、恋愛ミステリーと言えるだろう。

生田絵梨花

 さて、ここ最近の生田は、2022年の映画『Dr.コトー診療所』の若手でありながら仕事をテキパキとこなす頼れる島の看護師など、カラッとした明るい女性を演じることが多かった。中でも印象深いのが、ドラマ『PICU 小児集中治療室』(2022年/フジテレビ系)での桃子役。主人公の小児科医・志子田武四郎(吉沢亮)の幼なじみで、初回に妊婦として登場し、武四郎の母・南(大竹しのぶ)に「カッコつけている間に他の男に取られた」と後悔されるほどの、親しみやすく明るい等身大の女性役だった。

生田絵梨花、『PICU』で光る“等身大”の演技 乃木坂46から親しみのある名女優に?

生田絵梨花は、乃木坂46卒業後も、歌に舞台と強みを活かした活動をしてきたのと同時に、ここ数クールは『オールドルーキー』(TBS系…

 特に、息子に迷惑をかけたくないとガンを隠していた母親と、それに気づかず悔やむ武四郎、その2人の思いが分かるために自然と涙がこぼれたシーンは生田の魅力にあふれていた。「武ちゃんのお母さんだけどさ、それだけじゃないから、南ちゃんは南ちゃんだから。なんかあったらすぐ連絡して」と心配の感情を必死に柔らかい表情にして声をかけ、南が「なんでうちにお嫁にきてくれなかったんだろう、こんな素敵な娘さん」と言うと、涙をこらえて「バカ言いなさんな」と言う。その照れなど様々な感情がつまった表情。本来なら絶望的で重いシーンなのだが、この生田の自然な素振りと明るさが、心が温まり、重い気分を軽くさせるなど、かけがいのない存在感を出していた。

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