『どうする家康』酒向芳が語る明智光秀としての覚悟 「どんな嫌なものでも出していける」
酒向芳が感じる岡田准一の凄さ
――酒向さんから見た岡田准一さんはどのような俳優ですか?
酒向:岡田さんとは、今まで3、4回ご一緒していますけど、強い岡田さんしか見たことがないんです。最近、岡田さんが出ている映画『最後まで行く』を観たんですが、あれは私が見たことのない岡田さんだったので、面白かったです。岡田さんも弱い面があるんだって思いながら。弱い岡田さんを見るのは、私にとっては楽しみでもあるんですよね(笑)。今回の信長も強いですが、要求されているから、岡田さんはそれを出しているんでしょう。
――改めて、岡田さんと共演されてみていかがでしたか?
酒向:岡田さんは擬闘の才能のある方で、私の動きに違和感があれば、ちゃんと指摘してくれるん方です。遠慮をしないところは、岡田さんの優れたところだと思います。歳が上だからとか、たくさんの作品に出てるから遠慮してしまうというのは違うと思うので。第27回では岡田さんが私を扇子で殴るシーンがありましたがどうしても扇子が来るより早く反応してしまうんですね。当たってないことが分かってしまうとよくないので、カメラアングルを考えて岡田さんはアドバイスしてくれました。
――饗応のシーンで家康と対峙して、酒向さんは明智としてどのように思われましたか?
酒向:ふてぶてしいですよね。目を見れば大体分かるので。優しい目けど、嫌な目をしていました。私が近くに行って、むんずと器を掴んで駆け出す時に松本さんのふてぶてしい顔を見て、いい表情をしているなと思いました。
――明智はなぜ謀反を起こし、どこでそれを決意したのだと思いますか?
酒向:正解はないですし、それは画面で捉えてないところかもしれませんよね。画面で捉えているとしたらそれは明智が饗応役をやった時に、みんなの前で恥をかかされたのがきっかけの一つになるんじゃないですかね。でも、脚本にもあるような雨の中でうたを詠むセリフは、決意の一つなんでしょう。
■放送情報
『どうする家康』
NHK総合にて、毎週日曜20:00~放送
BSプレミアム、BS4Kにて、毎週日曜18:00~放送
主演:松本潤
脚本:古沢良太
制作統括:磯智明
演出統括:加藤拓
音楽:稲本響
写真提供=NHK