『わたしのお嫁くん』は“役割”ではなく“存在”のこと 高杉真宙&波瑠の愛に溢れた最終回

『わたしのお嫁くん』とは“存在”そのものだ

 そして、穂香は思い至る。“お嫁さん”とは何も世間一般的にもそう思われている「家事をしてくれる存在」という役割のことではなく、その人の存在そのものだと。「行ってらっしゃい」や「お帰りなさい」を言い合いたいと思える相手なんて、そうそういないものだ。そして山本もそれに重ねて言う。自分が“お嫁さん”だから家事をしていたのではなく、ただただ好きな相手のためにそうしたかったのだと。互いに、名称に引っ張られその“役割”に付き纏うステレオタイプを意識しすぎてしまっていたのかもしれない。

中村蒼、高杉真宙

 「人間、一人じゃ完璧にできんからこそ、違う誰かと一緒にいる」とは“無自覚色男”の古賀の言葉だが、役割は固定でなく流動的でいいし、山本との遠距離恋愛中、穂香が家事代行サービスを利用していたようにアウトソーシングしたっていい。山本の兄らが穂香のことを気にかけてくれるように、何も2人だけに関係を閉じてしまわず、周囲に頼れる人がいるのなら素直に頼ってみるのだって手だろう。

 「お互いちゃんとやりたい仕事をして、家に帰ったら好きな人がいて、2人とも仕事頑張った〜って日は買って来たピザとビールで乾杯してさ、それだけでも最高じゃん」という穂香の理想には、どっちが“お嫁さん”かなんていう明確な役割分担は存在しない。

波瑠×高杉真宙『わたしのお嫁くん』が気付かせてくれた、日々の生活と重なる多くの問題

「物に定位置を決める」「床の上にものを置かない」「ちょっとの掃除を習慣にする」などなど、部屋をきれいに片付けるコツはたくさんある…

 「一緒に片付けましょう」と当然のことのように口にした山本の姿に、彼らが遠距離恋愛の中でも確実に“二人らしい”形を模索し続け、更新していることが嬉しく頼もしい。

■配信情報
『わたしのお嫁くん』
TVer、FODにて配信中
出演:波瑠、高杉真宙、前田拳太郎、仁村紗和、ヒコロヒー、竹財輝之助、古川雄大、中村蒼ほか
原作:柴なつみ『わたしのお嫁くん』(講談社『Kiss』連載)
脚本:橋本夏
音楽:橋本由香利
プロデュース:中野利幸(フジテレビ)
プロデューサー:芳川茜(共同テレビ)、山崎淳子(共同テレビ)
演出:紙谷楓(共同テレビ)、城宝秀則(共同テレビ)、水戸祐介(フジテレビ)
制作協力:共同テレビ
制作・著作:フジテレビ
©︎フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/oyome_kun
公式Twitter:https://twitter.com/oyome_kun
公式Instagram:https://www.instagram.com/oyome_kun/

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる