唐田えりか×渡部龍平×白石優愛が考える“友達”の定義とは? 役者ならではの体験に共感

唐田えりか×渡部龍平×白石優愛インタビュー

 俳優の小林且弥が立ち上げた映像プロジェクト「STUDIO NAYURA」第1回製作作品として6月23日に公開されるオムニバス映画『無情の世界』。映画『夜を走る』などの佐向大監督が手掛けた『真夜中のキッス』、『東京無国籍少女』などの山岸謙太郎監督の『イミテーション・ヤクザ』、『POP!』などの小村昌士監督の『あなたと私の二人だけの世界』という、一見まったく趣の違うと思われる作品が“現代の憂鬱”、“日常生活の冒険”というテーマでつながった。

 『真夜中のキッス』で主演を務めた唐田えりか、『イミテーション・ヤクザ』で自らを主人公に脚本を執筆した渡部龍平、『あなたと私の二人だけの世界』で主演を務めた白石優愛の3人が、作品の見どころや、それぞれの作品の感想などを語り合った。

役者ならではのリアルな部分に共感

――海外・アジアへのコンテンツの発信や、新たな人材・才能の発見が作品やコンテンツを派生させ、産業の可能性を広げるという理念で発足した「STUDIO NAYURA」の第1弾作品でしたが、それぞれの作品にはどんな思いで参加しましたか?

唐田えりか(以下、唐田):脚本を読んだとき、私が演じるユイに結構サイコパスっぽい印象を受けました。ただ、そのなかでも展開やセリフに遊び心があるなと思ったので、そこをしっかり表現できたら、役が面白いものになるんじゃないかなという期待を持って参加しました。

渡部龍平(以下、渡部):僕は原案・脚本も担当しているのですが、話のスタートは、コロナ禍で3カ月ぐらい撮影がストップしてしまったとき、マネージャーさんと「もう自分でやった方がいいかも」という形で書いたものなんです。最初はどうなるんだろうと思っていたのですが、こんな形で劇場公開されるまでになって、本当に嬉しいです。自分の子供のような作品なので、思い入れは強いです。

白石優愛(以下、白石):私は小村監督の『POP!』を観たとき、「ここが面白い!」とか「ここが素敵!」というのが分からなかったのですが、すごく泣けて笑えたんです。そんななか、今回の作品の脚本を読んだとき、『POP!』と同じようにすごく面白いんだけれど、それがなぜなのかというのが分からなかったんです。「これが小村ワールドか!」と思ったと同時に、私がちゃんとこの世界を表現できるのかという緊張が大きかったです。

――お互いの作品を観てどんな感想を持ちましたか?

唐田:『イミテーション・ヤクザ』はお世辞とかではなく、本当にめちゃくちゃ面白かったです。普通に声を出して笑ってしまって。原案と脚本を渡部さんが担当されたと聞いて「すごい!」と思いました。主人公が役者ということもあり、劇中のセリフもグッとくるところがたくさんありました。コメディ要素もありつつ、役者ならではのリアルな部分もあって、大好きな作品でした。『あなたと私の二人だけの世界』は、とにかく白石さんがかわいいなって(笑)。小村監督の世界観にこんなにぴったりはまるなんて、とても稀有な存在の女優さんだなと思いました。小村監督は何度かお会いしたことがあるのですが、とても不思議な方で、この作品も小村ワールド全開だったので、すごく堪能できました。

白石:『真夜中のキッス』は、脚本を読ませていただいたことがあって、そのときは唐田さん演じるユイと栄信さん演じるユウジの関係性や空気感が分からなかったのですが、映画を観ると、脚本から想像していた以上に素敵なものがいっぱい散りばめられている作品だなと。芸術作品を観ているようでした。あとは、ネタバレになってしまうかもしれませんが、すごく素敵できれいなキスシーンにも魅了されました。『イミテーション・ヤクザ』は“役者あるある”のような、「めちゃくちゃ分かる!」と感情移入するシーンが多くて、ヤクザが主人公に言ったあるセリフで感動して泣いてしまいました。勝手な想像ですが、渡部さんの実体験とか気持ちが作品に込められているのかなと。なかなかそういう思いをさらけ出すのって勇気がいることだと思うので、とてもカッコいいなって感じました。

渡部:すみません。実は、僕は劇場の大きなスクリーンで観たいと思っていたので、お二人の作品はまだ観ていないんです。

――渡部さんは、お二人から『イミテーション・ヤクザ』の感想を聞いて、どんなお気持ちですか?

渡部:嬉しいですね。多分役者をやっている人だったら分かるだろうな、という気持ちを書いていたので。でも脚本を書くときに、役者が観たら感情移入できても、違う職業の人だったらわからない、というのは嫌だったので、そこはこだわりました。今回の主人公は役者ですが、多分ほかの職業に置き換えて観ても、同じような思いが伝わるのではないかと思っています。

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