『父を探して』アレ・アブレウ監督最新作 『ペルリンプスと秘密の森』12月公開へ
アレ・アブレウ監督によるアニメーション映画『Perlimps(原題)』が、『ペルリンプスと秘密の森』の邦題で12月に公開されることが決定した。
本作は、2014年アヌシー国際アニメーション映画祭にて最高賞と観客賞をW受賞、2016年に新設されたアニー賞長編インディペンデント作品賞を受賞したほか、第88回アカデミー賞長編アニメーション賞に南米の長編アニメ作品として初ノミネートを果たしたブラジル人監督アブレウの最新作。前作はダイアローグのない作品だったが、本作では主人公が2人になったことで対話が生まれ、セリフが生まれた。アマゾンの保全が大きな課題であり責任でもあると感じているアブレウ監督は「子どもの澄んだ目で見つめると光のような希望が見えてくる」と、本作について語った。
テクノロジーを駆使する「太陽の王国のクラエ」と自然との結びつきを大切にする「月の王国のブルーオ」の2人の秘密エージェントは、巨人によってその存在を脅かされた魔法の森に派遣されている。森を守る唯一の方法は、謎の存在である「ペルリンプス」を見つけること。最初敵対していた2人は共通する目的のために結束するが、平和をもたらすという謎の生物を探すうちに物語は思いがけない結末にたどり着く。驚きの結末と、そこに浮かび上がる隠された人類への大きな問いかけとは。
あわせて公開された場面写真では、クラエとブルーオが「ペルリンプス」を見つけるために、まるで抽象絵画のように美しくに煌めく色鮮やかな森の中で奮闘する様子が切り取られている。独自のカラーパレットから生み出されたこの“森”は本作の大きな見どころの一つ。アブレウ監督は“色彩と線の魔術師”とも評される画家パウル・クレーの「本当は、色が私たちを支配しているのであって、その逆ではない」という言葉に触れ、「紙の上で、次にコンピューター上で実験を重ね最も意味のある色の組み合わせが生み出された。さまざまな色に照らし出された“神秘の森”は、すべてが可能で、しがらみのない、自然やすべての生きものとのつながりを見出す場所だ。美しくいくつもの色で描かれた、子ども時代を象徴する空間(森)はあたたかく、やさしい」と、本作の表現について語った。
音楽を担当したのはアンドレ・ホソイ。さらに彼が率いるパーカッショングループBarbatuquesは、監督と書き下ろした主題歌「Daqui prá lá, de lá prá cá(pra Naná)」(From here to there, from there to here(for Naná))を担当し、中国、ベネズエラ、コロンビアの楽器を使用した。
■公開情報
『ペルリンプスと秘密の森』
12月より、YEBISU GARDEN CINEMAほかにてロードショー
脚本・編集・監督:アレ・アブレウ
音楽:アンドレ・ホソイ、オ・グリーヴォ
後援:在日ブラジル大使館
配給:チャイルド・フィルム、ニューディア―
2022年/ブラジル/原題:Perlimps/スコープサイズ/80分/日本語字幕:星加久実
©︎Buriti Filmes, 2022