要潤が感じた神木隆之介の成長 『らんまん』田邊教授役は「どんどん裏切って行く方向」
神木隆之介に対する“親心”
――万太郎を演じる神木さんを要さんは役者としてどのように見ていますか?
要:神木くんのことは8歳の頃から知っていて、子供の頃からいい意味で印象は全然変わらずに、真っ直ぐにお芝居と真摯に向き合っていて、共演者に対してもスタッフに対しても、フラットに向き合っている姿勢が素敵だなと思います。いつでも元気を貰える存在ですね。お芝居の話はほとんどしませんが、彼が考えてきたものをパッと出された時に、僕はどちらかといえば裏に裏にいきたいタイプなのですが、彼は表から素直に真正面をいくので、そこも8歳の頃から変わっていない印象です(笑)。本当に純粋なんだなと思います。神木くんとは8歳で出会って、次は13歳で『探偵学園Q』(日本テレビ系)で一緒になって、いま30歳になり、彼の成長を見ている感じがします。親心というか、そんな気持ちはありますね。今回の田邊教授にちょっと近いのかもしれないですけれど、8歳の頃のお芝居と今のお芝居は全然違うので、こうやって年齢とともに変わってくるんだって、余計なことまで考えちゃうことがあります。
――万太郎と田邊教授の今後の関係性を教えてください。
要:田邊教授は、才能がどんどん開花していく万太郎に多少嫉妬をしながらも、彼をうまく利用できないかなというふうに考えます。それは東京大学の教授としての立場で、ある種、彼を操りたいなと。自由奔放に前に進んでいく彼を自分の範疇の中に繋ぎ止めておきたいという思いが強くなっていくんです。それが周りにとっても、万太郎にとっても足枷になる。それでも教授という立場を利用して、彼を自分の敷いたレールの上を歩かせようとする。それがひいては、東京大学のためになるというのが田邊の主張なんですけど、おそらく万太郎はもっと広い世界を見ているんですよね。田邊が言っていた「留学しなさい」とか、「もっと世界は広いんだ」ということが逆説になってくる。そういった思考が逆にどんどん世界を狭めていっている、というシナリオになっています。万太郎と田邊は両極ですが、どちらも間違ったことはやっていないと思うんです。視聴者の方々にはそれぞれの気持ちが分かってくださると思うので、そのプラスとマイナスがなかなか一致しない田邊と万太郎のキャラを楽しんでいただければと思います。
――視聴者からの反響も期待できそうですか?
要:おそらく現時点では、田邊教授と万太郎が二人三脚で何かを成し遂げていくんだろうと予想している方が多いと思うのですが、そんな皆さんをどんどん裏切って行く方向に進んでいきます。「これ、朝ドラで言っていいのかな?」というような衝撃的なセリフやシーンが続々と出てきますので、視聴者のみなさんには、そういう意味でもサプライズを楽しんでいただけると思います。
■放送情報
NHK連続テレビ小説『らんまん』【全130回(全26週)】
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:神木隆之介、浜辺美波、志尊淳、佐久間由衣、広末涼子、松坂慶子ほか
作:長田育恵
語り:宮﨑あおい
音楽:阿部海太郎
主題歌:あいみょん
制作統括:松川博敬
プロデューサー:板垣麻衣子、浅沼利信、藤原敬久
演出:渡邊良雄、津田温子、深川貴志ほか
写真提供=NHK