前田敦子、俳優業の原点にあるAKB48の存在 「いまだに私の中で大きな部分を占めている」
AKB48卒業から10年以上。女優として数々の映画やドラマ、舞台などに出演しながら、現在は事務所から独立し社長としても活躍の場を広げる前田敦子。3人の主人公のうちの1人を務めるドラマ『かしましめし』(テレビ東京系)では、上司からのパワハラにより心が折れて退職し、気分転換の方法としての“料理”に活路を見出したアラサーのデザイナー小田千春を演じている。そんな前田に、『かしましめし』の裏話や挫折した過去、自身の原点となっているAKB48への思いを語ってもらった。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】
『かしましめし』の芝居の難易度は「すごく高い」
ーー『かしましめし』のメイン脚本家の玉田真也さんとは、よるドラ『伝説のお母さん』(NHK総合)、映画『そばかす』でもご一緒されていますよね。
前田敦子、(以下、前田):そうなんです。玉田さんの作品って、観ていてホッとするんですよね。初めてご一緒した『伝説のお母さん』は、私にとって出産後初めての主演ドラマだったんですけど、会話のテンポがすごく面白くて、自然と喋れるような、すごく読みやすい脚本を書いてくださる方だなという印象がありました。『そばかす』では監督として演出をしていただきましたが、そのときも“玉田節”にすごくやられてしまって。なので今回、玉田さんが『かしましめし』のキャスティング時に私の名前を出してくださったと聞いて、即答で「じゃあやりたいです!」と言いました。
ーー玉田さんからのご指名だったんですね。
前田:千春役を誰にするか考えていたときに、玉田さんが一番最初に私の名前を出してくださったみたいで。私も玉田さんの作品が大好きなので、相思相愛でいられていることがすごく嬉しいです。
ーー『そばかす』もそうでしたが、この1年は特に映画での活躍が目立っていた印象です。そんな中で、本作『かしましめし』をはじめ、連続ドラマW-30『ウツボラ』(WOWOW)、『育休刑事』(NHK総合)と、現在はドラマでの露出が増えていますね。
前田:これは本当にたまたまなんです(笑)。去年は映画と舞台にお誘いいただく機会が多かったんですが、今年はドラマで。自分の中で特に何か決めているわけではないんですが、こんなにも重なる時期があるんだと不思議なご縁を感じています。
ーー『かしましめし』はテレビ東京お得意のグルメドラマでありながら、自分たちが生きている日常の延長線上というか、日々過ごしている中でもありえそうな、リアリティのあるトピックが毎話毎話盛り込まれている部分にグッときます。
前田:ありがとうございます。おっしゃっていただいたように、ドラマを観てくださっている方たちに、千春、ナカムラ(成海璃子)、英治(塩野瑛久)の3人が、みんなと同じ世界に本当に生きているんじゃないかと思っていただけるような作品になったら素敵だなと思っていて。監督たちとも、“ドラマ”というよりかは、本当に生きている人たち、リアルに生活している人たちとして描いていきたいというお話をさせていただいていたので、準備をしている段階でものすごく楽しみでした。ただ、演じる上では、リアルに見えるお芝居って難しいんですよね。テクニックが必要になってくるので、お芝居の難易度はすごく高いです。
ーーナカムラ役の成海璃子さんとは、市川準監督の映画『あしたの私のつくり方』以来の共演になるんですよね。
前田:そうなんです。『あしたの私のつくり方』は私の映画デビュー作で、撮影当時は15歳でした。璃子ちゃんは1歳年下なんですけど、その時点でもうすでに天才で。私は演技に関してど素人だったので、現場では監督にすごく怒られたんですけど、結果的にそれがすごくいい経験になったんですよね。私にとって思い入れのある作品なので、こうしてまた一緒に共演できることがすごく嬉しいです。