大森寿美男脚本作『軍港の子』NHK総合にて8月放送 『らんまん』の小林優仁ら出演

大森寿美男脚本作『軍港の子』8月放送

 大森寿美男が脚本を手がける特集ドラマ『軍港の子 ~よこすかクリーニング1946~』が、8月にNHK総合で放送されることが決定した。

 本作は、戦後の神奈川県横須賀を舞台に、戦争孤児となった子供たちが目の当たりにした“本当の戦争”を描いた人間ドラマ。自分たちの力だけで生き抜くしかない戦争孤児たちは、米兵の靴磨きやたばこ拾い、時に犯罪に手を染めていた。だが、あるきっかけで「クリーニング」の仕事に出会う。犯罪ではなく汗を流して働き、人に感謝されてお金を稼ぐ。自分たちが“生きていても良い”と思える経験によって、孤児たちは笑顔を取り戻し始める。自分たちの稼ぎで「家を借りて暮らす」というささやかな夢を抱くようになった子供たちだったが、さらに過酷な現実が彼らを待ち受けていたのだった。

 脚本を、NHK連続テレビ小説『なつぞら』や、NHKドラマ『精霊の守り人』、『風の向こうへ駆け抜けろ』などを手がけてきた大森が担当する。

 戦争孤児の一人・小川今日一を、NHK大河ドラマ『青天を衝け』、NHK連続テレビ小説『らんまん』に出演の小林優仁が演じる。そのほか、髙橋來、村山輝星、原田琥之佑、岡橋亮汰、阿久津慶人ら子役がキャストに名を連ねた。

 脚本の大森は、「戦争がまったく過去の出来事ではないことを痛感しながら、語り継ぐといえばおこがましいが、無名の人々に思いを馳せる義務が我々には残されていると、ドラマを見てそう感じていただければ幸甚です」と本作に込めた思いを明かしている。

コメント

小林優仁(小川今日一役)

今日一は、昔の人なんだろうか? 明日のぼくたちなのではないか? 登校する朝、ニュースを目にしたとき、常に怖い考えが頭をよぎります。考えすぎなのか? 楽観的でいてよいのか? ぼくたちは、大切な人を守れるのだろうか。この疑問をみなさんと共有したくて、今日一の人生を生きてみることにしました。大河ドラマ『青天を衝け』、朝ドラ『らんまん』で主人公少年時代を演じた経験をいかして、最高のスタッフさんとともに万全の準備をして臨みます。ぜひ、ご覧ください。

大森寿美男(脚本)

戦後を生きた子供たち、戦争孤児と呼ばれた人々の話です。歴史に名が残るようなモデルがいるわけではありませんが、軍港があった横須賀で、そして日本の各地で、あの頃、実際にあった出来事をモデルにしています。自分より若いプロデューサーやディレクターの熱意から、一つの物語が生まれたと感じています。実際に体験した方から直に話を聞くことが困難になっていると実感する中、戦争がまったく過去の出来事ではないことを痛感しながら、語り継ぐといえばおこがましいが、無名の人々に思いを馳せる義務が我々には残されていると、ドラマを見てそう感じていただければ幸甚です。

渡邊崇(音楽)

ドラマの作曲をするという事は、そのドラマの登場人物に私自身が憑依する事だったり、その時代の空気になる事だったりします。戦中、戦後を逞しく生き抜いた子供たちの姿を描くこのドラマに携わる事で私は一体どんな体験をするのでしょう。きっと、色々と胸が苦しくなるんでしょうね。でも最後は希望を感じている事と思います。だって、彼らが居たから戦後の復興があった訳です。作曲を通して、彼らの生き様から多くの事を体験し、そしてそれらを子供達へ伝えていきたいと思います。

■放送情報
特集ドラマ『軍港の子 ~よこすかクリーニング1946~』
NHK総合にて、8月放送
原作:西田彩夏
脚本:大森寿美男
音楽:渡邊崇
出演:小林優仁、髙橋來、村山輝星、原田琥之佑、岡橋亮汰、阿久津慶人ほか
制作統括:桑野智宏
演出:田島彰洋

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