『すずめの戸締まり』が中国、韓国で記録を更新 アニメの世界興行が別のフェーズへ

『THE FIRST SLAM DUNK』など、存在感を増す日本アニメ映画

 最近海外でヒットしている日本のアニメ映画は『すずめの戸締まり』だけではない。日本では2022年12月3日に公開され、興行収入132億円を突破した『THE FIRST SLAM DUNK』も、アジアを中心に存在感を示している。先ほど『すずめの戸締まり』が韓国で公開された日本映画で歴代1位を獲得したと紹介したが、その前に1位となっていたのは、ほかならぬ『THE FIRST SLAM DUNK』だ。2023年1月4日の公開から61日で、『君の名は。』を抜いて観客動員数は400万人を超え、日本映画で最高興行成績を記録。しかしほどなくして『すずめの戸締まり』に記録を更新されてしまった。だが4月5日からはIMAXでの上映も開始され、人気は続いている。

『THE FIRST SLAM DUNK』©I.T.PLANNING,INC. ©2022 THE FIRST SLAM DUNK Film Partners

 中国では4月20日に公開され、4月19日時点で前売り券の売上は1億1,500万元(約22億円)を突破。上海の映画館では、午前0時ごろからの上映でもほぼ満席となった。中国のインターネットメディア「澎湃新聞」によると、4月20日には中国本土で計13万回上映され、この日上映されたすべての映画の8割を占めたという。4月23日時点の興行収入は3億7,700万元(約73億円)を突破した。『スラムダンク』のテレビアニメは90年代に中国でも放送されており、一部で絶大な人気を誇っている。また中国では、かつてアメリカNBAで活躍した選手もおり、バスケットボールの人気も高い。こうした背景もあり、『すずめの戸締まり』を上回る可能性もある。

 これまで海外で評価される日本のアニメ映画といえば、数多くの映画賞を獲得した『千と千尋の神隠し』に代表されるジブリ作品をイメージすることが多かっただろう。ジブリ作品は北米やヨーロッパでの支持が高い。しかし今回の『すずめの戸締まり』や『THE FIRST SLAM DUNK』を見てみると、アジアで熱狂的に受け入れられているのだ。マーケティングや観客の関心は欧米での評価に向けられがちだが、日本のアニメ映画が輝く場所は、実はアジアにあるのかもしれない。

■公開情報
『すずめの戸締まり』
全国公開中
原作・脚本・監督:新海誠
出演:原菜乃華、松村北斗、深津絵里、染谷将太、伊藤沙莉、花瀬琴音、花澤香菜、松本白鸚
キャラクターデザイン:田中将賀
作画監督:土屋堅一
美術監督:丹治匠
音楽:RADWIMPS、陣内一真
主題歌:「すずめ feat.十明」RADWIMPS
制作:コミックス・ウェーブ・フィルム
制作プロデュース:STORY inc.
配給:東宝
©︎2022「すずめの戸締まり」製作委員会
公式サイト:https://suzume-tojimari-movie.jp/
公式Twitter:https://twitter.com/suzume_tojimari
公式Instagram:https://www.instagram.com/suzumenotojimari_official/
公式TikTok:https://www.tiktok.com/@suzumenotojimariofficial

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