『王様ランキング 勇気の宝箱』のサブタイトルを考察 ボッジの成長と“重要な視点”とは?

『王様ランキング 勇気の宝箱』を考察

 2021年秋から放送が開始され、大きな注目を集めたアニメ『王様ランキング』。「ボッジやカゲ、彼らの周りに集いし仲間たちの、知られざる“勇気の物語”が描かれる」というキャッチコピーのもと、4月13日からはアニメ第2期にあたる『王様ランキング 勇気の宝箱』がスタートする。

 キャッチコピーやタイトルにもあるように、本作は“勇気の宝箱”がキーワードとなるのであろう。この言葉が示すものとは何か。本稿では“勇気の宝箱”という言葉に焦点を当てながら、作品の魅力を考察したい。

 前作『王様ランキング』では各国の王様がランキング化される世界を舞台に、周囲から“ダメ王子”と評されていた主人公・ボッジが自国の危機を救うほどの強さを身に着ける過程が描かれた。ここで示した“強さ”とは精神的な強靭さはもちろんのこと、戦闘に関する能力も含んでいる。

 最初は子ども用の剣すらまともに触れないほどに非力な存在としてボッジは描かれることとなるが、物語終盤では自身の何倍も大きなキャラクターたちを倒すまでの成長するのである。

 とくにボッジが大きく成長することができた理由として、自国を離れ、王様となる人物を育てたと噂される知恵者・デスパーと共に修業したことが挙げられるだろう。デスパーのもとで寝食を共にしながらボッジは稽古に励み、1日の終わりには気絶するように寝てしまう日々を過ごした。

 そんな壮絶な修行の日々のなかで繰り返し登場するのが“勇気”という言葉だ。

 ボッジがはじめてデスパーと出会ったとき、デスパーは王様になった人物の持つ大事なものについて「前に進む勇気/困難に立ち向かう勇気/人を信じる勇気/己を信じ続ける勇気などなど/何一つ欠けることなく」と話し、勇気の必要性を説いた。

 またボッジが迷いを抱き涙を浮かべた際、ボッジと行動を共にするキャラクター・カゲは「お前には勇気がないっ!!」とボッジを鼓舞している。そしてボッジがデスパーのもとから去るとき、デスパーは「勇気!」と叫びながら旅立つボッジの背中を押した。

 デスパーたちと共に勇気を得ることを目指す日々を過ごし、非力であったボッジが自国の危機を救うほどの強さを手に入れた。ゆえにボッジの成長が描かれる本作のキーワードとして“勇気”が用いられるのであろう。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる