ブラムハウス『ソフト/クワイエット』予告編&場面写真公開 瀬々敬久らの絶賛コメントも
5月19日に公開される『ソフト/クワイエット』の予告編と場面写真が公開された。
本作は、ブラムハウスが贈る体感型クライムスリラー。92分の全編をワンショットで映像化し、アメリカで社会問題化しているヘイトクライム(憎悪犯罪)の狂気を描く。
とある郊外の幼稚園に勤める教師エミリーが、「アーリア人団結をめざす娘たち」という白人至上主義のグループを結成する。教会の談話室で行われた第1回の会合に集まったのは、主催者のエミリーを含む6人の女性。多文化主義や多様性が重んじられる現代の風潮に反感を抱き、有色人種や移民を毛嫌いする6人は、日頃の不満や過激な思想を共有して大いに盛り上がる。やがて彼女たちはエミリーの自宅で二次会を行うことにするが、途中立ち寄った食料品店でアジア系の姉妹との激しい口論が勃発。腹の虫が治まらないエミリーらは、悪戯半分で姉妹の家を荒らすことを計画する。しかし、それは取り返しのつかない理不尽でおぞましい犯罪の始まりだった。
主人公エミリーを演じたステファニー・エステスをはじめ、キャストはほぼ無名の俳優たち。監督は、自らのオリジナル脚本を映画化し、本作で長編デビューを飾った女性監督ベス・デ・アラウージョが務めた。
公開された予告編は、閑静な田舎町の森に囲まれた教会の談話室で白人女性による会合が行われるシーンから始まる。マイノリティーへの偏見を持つ白人女性たちは、日頃の不満や過激な思想を共有することで徐々に白熱。ハーケンクロイツの“パイ”やナチス式敬礼をする妊婦などの異様な光景が映し出される。そして、二次会へ向かう途中に立ち寄った食料品店でアジア系の姉妹との激しい口論が勃発、緊迫した空気が流れ、ついには揉み合い、そして拷問へと発展していく。
あわせて、本作を一足早く鑑賞した思想家・武道家の内田樹、映画監督の瀬々敬久、森達也による絶賛コメントも公開された。
コメント
内田樹(思想家・武道家)
ワンショット・リアルタイムのスリラーと言えば、ヒッチコックの『ロープ』が映画史に残る傑作だけれど、本作はそれに挑戦している。途中から加速する登場人物たちの暴走と救いのない精神崩壊は『ロープ』を凌駕している。
瀬々敬久(映画監督)
黄昏の“逢魔が時”がリアルに過ぎる92分。暮れゆくワンカットの中、人々は狂気に陥り、魔物に出会ったと自ら信じ込む。それは「分断」の時代を生きる我々自身の姿だ。
森達也(映画監督/作家)
これほどひどい映画はちょっと記憶にない。でも絶対にあなたは最後まで目を離せない。悔しい。すごい。悲しい。怖い。すべてが凝縮されている。この映画だからこその全編ワンショット。一人でも多くの人に観てほしい。
■公開情報
『ソフト/クワイエット』
5月19日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開
監督・脚本:ベス・デ・アラウージョ
出演:ステファニー・エステス、オリヴィア・ルッカルディ、エレノア・ピエンタ、メリッサ・パウロ、シシー・リー、ジョン・ビーバース
提供:ニューセレクト
配給:アルバトロス・フィルム
2022年/アメリカ/英語/92分/16:9/5.1ch/G/日本語字幕:永井歌子
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