『キル・ボクスン』チョン・ドヨン旋風到来中 イ・ジェウクが短時間でインパクトを残す

『キル・ボクスン』チョン・ドヨン旋風到来中

 3月31日よりNetflixにて配信中の映画『キル・ボクスン』が世界的ヒット中だ。本作は、Netflixのグローバルトップ10(非英語映画)の1位を飾り、北米、南米、ヨーロッパ、アジアと世界82カ国でランキング入りしている(3月27日~4月2日週間ランキング)。主演のチョン・ドヨンは、『イルタ・スキャンダル 〜恋は特訓コースで〜』のグローバルトップ10(非英語シリーズ)の9週連続ランクインとともに、主演した2作品がランクインという快挙中だ。

 本作は、主演のチョン・ドヨン演じる伝説の殺し屋=カリスマキラーの、キル・ボクスンの波乱万丈の1週間を描いた物語だ。ボクスンを演じたチョン・ドヨンは、韓国の名俳優として名高く、『シークレット・サンシャイン』(2007年)でカンヌ国際映画祭の主演女優賞も受賞した世界的大女優。今現在もヒット中のドラマ、『イルタ・スキャンダル 〜恋は特訓コースで〜』でナム・ヘンソンとして、チョン・ギョンホ演じるカリスマ塾講師のチェ・チヨルと年の差ロマンスを見せ、話題となっている。

 本作では、思春期の娘を持ち、反抗期に頭を悩ませながら、殺しの依頼を受ければ完璧な仕事を見せ、閉店間際のスーパーに駆け込むというキル・ボクスンを、チョン・ドヨンが満載の魅力を発揮して魅せている。中でも、ボクスンが雇われている、表向きはイベント会社で、実際は暗殺請負会社である「MKエンターテインメント」の代表である、ソル・ギョング演じるチャ・ミンギュとのふたりの愛憎関係が美しく、残酷で、儚い。

 チョン・ドヨンとソル・ギョングは、映画『私にも妻がいたらいいのに』『君の誕生日』に続き、本作で3度目の共演に。『君の誕生日』では、セウォル号で息子が亡くなったことから、溝ができた夫婦役を演じたが、共に圧巻の演技合戦に涙腺を刺激された人も多いのではないだろうか。主演チョン・ドヨンの伝説におとらず、ソル・ギョングもチェ・ミンシク、ソン・ガンホと共に韓国俳優界を牽引する名俳優だ。本作の監督であるピョン・ソンヒョン監督とは、映画『名もなき野良犬の輪舞』、『キングメーカー 大統領を作った男』に続き、3作目のタッグとなる。ソンヒョン監督は、ソル・ギョングの底光りする渋みや、根底に流れる煮えたぎるような野心と、併せ持つ冷静かつ残酷さをカッコよく引き出し、映像に乗せることに成功している。

 本作では、キル・ボクスンが、チャ・ミンギュと出会った頃をセンセーショナルに描写しているのだが、ミンギュの若い頃を演じているのが、『還魂』で大ブレイク中のホットな俳優であるイ・ジェウクだ。イ・ジェウクは短時間の登場ながら、ベテラン俳優に負けない存在感で、ボクスンとミンギュの出会いに絡めた恋のパッションを驚くべき感情表現で演じて魅せている。デビュー当時より、卓越した演技力に定評のあるイ・ジェウクならではの、観る者が思わず息を呑むような表情が焼き付いて、脳裏から離れない。

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