横浜流星が京都でのロケハンにも同行 『ヴィレッジ』メイキング写真

『ヴィレッジ』横浜流星がロケハンに同行

 4月21日に公開される横浜流星主演映画『ヴィレッジ』のメイキング写真が公開された。

 『新聞記者』『余命10年』の藤井道人監督のオリジナル脚本作となる本作は、『新聞記者』『ヤクザと家族 The Family』『空白』などの話題作を世に贈り出してきたスターサンズの河村光庸プロデューサーの遺作となるヒューマンサスペンス。

 夜霧が幻想的な、とある日本の集落・霞門村。神秘的な“薪能”の儀式が行われている近くの山には、巨大なゴミの最終処分場がそびえ立つ。幼い頃よりこの村に住んでいる片山優(横浜流星)は、美しい村にとって異彩を放つ、このゴミ処理施設で働いているが、母親が抱えた借金の支払いに追われ、ゴミ処理施設で働く作業員に目をつけられ、希望のない日々を送っていた。そんなある日、幼なじみの美咲が東京から戻ったことをきっかけに、物語は大きく動き出す。

 本作の撮影は、2022年の4月〜5月の約1カ月にも及ぶ京都を中心にでのオールロケを敢行した。霞門村の舞台となったのは、京都府にある「美山かやぶきの里」。予告映像に映し出される、松明を持ち能面をかぶった村人たちが列をなして歩くシーンは、この地にかかる長除大橋が使用されている。その他にも、ポスターに映し出されている能舞台はロケ地の一つである兵庫県の平之荘神社の野外能楽堂が使用されている。

 主演の横浜は、脚本づくりはもちろん、京都でのロケハンにも同行するなど、本作に深くコミット。「藤井監督は脚本の執筆中から何度も僕に感想を求めて意見を反映してくれました。その脚本が完成したとき『優は藤井道人と横浜流星の分身にしたい』と言ってくれたんです。優の誕生日も僕自身のもの(9月16日)だし、幼少期に空手を習っていたり、好きなアーティストがamazarashiという設定も僕と同じ。自分の要素が濃く入っていたからこそ優として生きやすかったし、もし自分が優みたいな状況になったら、同じ行動をとるだろうなと感じられました」と藤井監督と共に作り上げた優という役への熱き想いを明かしている。さらに、劇中の優の髪型は藤井監督のヘアスタイルを真似てはどうかと、横浜自身が提案したもの。「僕も優の中に藤井監督のイメージを感じていたので、それが似合うかなと思ったんです。実際にやってみたらちょっとお洒落すぎたので(笑)、襟足を伸ばしたりして、村でくすぶっている青年らしくもさっとした雰囲気に仕上げていきました」と明かしている。

 藤井監督も「優という人物には流星自身が俳優として感じている迷いや怖れも反映されています。今は祭り上げるだけ祭り上げられて、何か一つ間違えると、積み上げてきたものが一発で崩れてしまう時代。僕も『新聞記者』以降、個人的には変わっていないのに、周りがどんどん変わっていく恐怖があった。僕らの抱くそうした負荷をいかに負わせるか、僕と流星がたくさん時間をかけて話し合った結果、優が生まれたと思います」と語っている。

 今回、優だけでなく、主な登場人物は藤井監督が一人ずつキャラクターシートを作っている。映画の中では決して描かれないが、子供時代の様子や趣味、好きな音楽、家族構成や密かに抱えるコンプレックスなど、かなり緻密にキャラクター設定が作り込まれたものになっており、それぞれが演じる俳優たちに配られている。たとえば美咲は“辛いことがあっても笑ってその場をやり過ごそうとする一面がある”と書かれており、実際に美咲を演じた黒木は「美咲は東京で失敗して、傷ついて帰ってきましたが、弱さをあまり見せないんです。村に自分の居場所を見つけられずに出て行ったものの、東京でも見つけられなくて、今度は何としてでも村でそれを見つけなければならないという思いがある。その加減をどこまで出すのか、出さないのか、監督と相談しながら作っていきました」と細かく設定されたキャラクターシートを参考にしながら役作りを重ねていったことを明かしている。

 緻密に作り上げられた登場人物たちのバックボーン、それらを“感じさせる”重厚な人間ドラマを紡ぎ出す俳優陣、登場人物たちの心象風景が滲み出るような瞬間の連続をとらえ、村とそこに生きる人々の息づかい、夢と現の間を彷徨う様な能の世界を織り混ぜながらカメラに収めた撮影の川上智之。そこに音楽の岩代太郎、美術の部谷京子をはじめとした藤井作品の常連スタッフも集い、最旬の布陣で現代日本のディストピアを作り上げた。公開されたメイキング写真の数々でも、美しいロケ地の風景とともに、横浜の現場での様子が切り取られている。

 なお、映画公開までの700日の人間ドラマを追った『700日のヴィレッジ』の最新映像vol.3「彼と彼の苦悩」が公式YouTubeで公開中だ。

700日のヴィレッジ vol.3「DARKNESS」-彼と彼の苦悩- | 映画『ヴィレッジ』4月21日(金)公開

■公開情報
『ヴィレッジ』
4月21日(金)より全国公開
出演:横浜流星、黒木華、一ノ瀬ワタル、奥平大兼、作間龍斗(HiHi Jets)、淵上泰史、戸田昌宏、矢島健一、杉本哲太、西田尚美、木野花、中村獅童、古田新太
監督・脚本:藤井道人
企画・製作・エグゼクティブプロデューサー:河村光庸
制作プロダクション:スターサンズ 
配給:KADOKAWA、スターサンズ
©︎2023「ヴィレッジ」製作委員会
公式Twitter:@village_moviejp
公式Instagram:@village_moviejp

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