黒羽麻璃央、2.5次元俳優から飛躍 『夕暮れに、手をつなぐ』葉月は空豆のブレインに?

黒羽麻璃央、2.5次元俳優から飛躍

「そばに理解者がいるかどうか、それが一番大事!」

 これは、大手レコード会社「ユニバースレコード」で音(永瀬廉)の担当をしている磯部(松本若菜)の言葉だ。その時、空豆(広瀬すず)は、音とセイラ(田辺桃子)がテレビ出演時に着る衣装の提案をしていた。その横で、興奮気味に空豆を指しながら「天才です、こいつ!」と言っていたのが磯部が言うところの、空豆の理解者・葉月(黒羽麻璃央)である。

 葉月は空豆が働いているファッションブランド「アンダーソニア」の優秀なパタンナー。誰とでも気さくに話す性格でもあり、社内のメンバーからも信頼が厚い。デザイナーの久遠(遠藤憲一)にはなくてはならない存在だ。いつの間にか空豆の教育係のような立場にもなっており、デザインのことや仕事の流れが全くわからなかった空豆に基本的なことを教えたのは葉月である。とは言っても、葉月も忙しいため、手取り足取りというわけにはいかず、空豆は葉月に教わったことをベースに勉強を重ねていった。葉月は、人知れず努力を続ける空豆の様子も見ていて、いつも空豆に強く当たる久遠を宥めつつ、空豆を認めるように進言をすることもあった。

 葉月を演じているのは人気若手俳優のひとりである黒羽麻璃央。だが、筆者はクレジットを確認するまで黒羽だということに気が付かなかった。ふわふわしたパーマを揺らしながら、明るくニコニコと笑う葉月のキャラクターイメージが黒羽のイメージとは合致しなかったのだ。

 黒羽は2012年にミュージカル『テニスの王子様』2ndシーズンで7代目となる菊丸英二役を演じると、それ以降は2次元であるアニメなどのキャラクターを3次元である俳優が演じる「2.5次元ミュージカル」を中心に活躍。特にミュージカル『刀剣乱舞』では原作ゲームのアイコンにもなっている三日月宗近を長きにわたって演じていた。この宗近、日本の中でもかなり古い刀であることから自らを「私はじじいだから」ということがあり、ファンからは“おじいちゃん”という愛称で親しまれている。劇中の黒羽の立ち振る舞いも、元気や陽気という言葉は似合わない。静かで、優美で、美しいのだ。

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