『舞いあがれ!』悠人のひねくれた告白に久留美の念押し 芽生えた絆と愛すべき“らしさ”

『舞いあがれ!』悠人と久留美に芽生えた絆

「舞ちゃん、ありがとう。この子に会わしてくれて」

 “おじいちゃん”になった勝(山口智充)の言葉にじんわりと胸が暖かくなる。

 『舞いあがれ!』第24週が幕を開け、舞(福原遥)が元気な女の子を出産した。貴司(赤楚衛二)やめぐみ(永作博美)、勝と雪乃(くわばたりえ)もすぐさま駆けつけ、生まれたての子どもを愛おしい目で見つめる。

 その子は、貴司が考えた複数の候補から「歩」と名付けられた。舞と貴司の「何があっても負けず、一歩一歩前へ進んでほしい」という願いが込められている。病室を訪れた久留美(山下美月)も「ええ名前やな」と言ってくれた。

 そんな中、久留美のいつもと少し違った様子が気になる舞と貴司。実はフライトナースの面接に合格し、長崎の病院で働くことになったのだ。つまりは慣れ親しんだ東大阪を離れるということ。ようやく見つけた夢が叶うことは嬉しいけれど、やっぱりどこかで寂しい気持ちになるもの。父・佳晴(松尾諭)の結婚が決まり、心配ごとがなくなった今、久留美が最も気がかりなのは悠人(横山裕)との関係性の変化だ。

 はじめは、悠人にとっては妹の友達、久留美にとっては友達のお兄ちゃんでしかなかった2人の関係。その距離が少し縮まったのは、雨の中で倒れていた悠人を佳晴と久留美が介抱した時のこと。インサイダー取引の件で荒れていた悠人に、久留美は「支えてくれる家族がいてはるんやから、頼ったらええやないですか」と言ってくれた。その言葉は、いろんな問題を一人で抱えてしまいがちな悠人の心を楽にしてくれたに違いない。

 一方、佳晴を残して長崎に行くことに躊躇していた久留美の背中を押したのは悠人だ。あの日以来、佳晴と久留美親子の姿を見てきた悠人の「子供が頑張ってたら親父も頑張れんねん。離れたら離れるだけ強くなる、心も絆も」という確信を持った言葉が今度は久留美の心を楽にした。明るい性格の久留美とぶっきらぼうな悠人は正反対なように思えて、実は似た者同士なのだ。優しくて、いつも人のことばかり心配している2人。でも、不思議なことに一緒にいることで彼らは自分のことをいつもより大事にできる。だから互いの存在に、言葉に癒されるのだろう。今では自然と、偶然会ってはお酒を一緒に飲むような関係になった。

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