『大病院占拠』青鬼もP2計画側の人間だった可能性も? 鬼たちの“真の目的”を予想する
櫻井翔主演の日本テレビ系土曜ドラマ『大病院占拠』。物語も終盤を迎え、いよいよ隠された大罪が暴かれようとしている。そこで、未だ謎のままである“P2計画”とは何か、そして鬼たちの真の目的について予想する。
第8話の振り返りと、備前の意味深なセリフ
3月3日に放送された第8話では、取締室でP2計画のことを漏らした院長・播磨(津田寛治)を射殺したのが、神奈川県警本部長・備前(渡部篤郎)であることが明らかに。武蔵(櫻井翔)が連行される際に「我々の仕事は多くの人の命を守ることだ。お前が一番守らなければならないのは何だ? 絶対に鬼を確保しろ、頼んだぞ」と託したことは、青鬼(菊池風磨)たちではなく、本当の黒幕の鬼を止めろと伝えたようにも思える。
『大病院占拠』次々と正体が明かされた3人の人物 菊池風磨の背後に映されたとある文字
背後から襲撃され、目を覚ましたら播磨(津田寛治)が銃殺されていた。何者かによって罪を着せられた三郎(櫻井翔)は、連行される途中で…
P2計画には国家が関与する?
さてP2計画とは、第1話で流れたニュースの船の名前「プレミアム・パナケイア号」の頭文字をとって“P2”という名前だと考えられる。病院ではそのステルウイルスのワクチンを作る研究をしているのではないだろうか(ちなみにパナケイアとは、ギリシャ神話に登場する医術を司る神アポロンの孫で、医神アスクレピオスと医術の女神エピオネの娘の1人。「万能薬」という意味で使われている)。
しかし、地方自治体レベルでここまでの国家機密的なバイオハザード案件を任されるものだろうか? それ以前に、そんな危険な場所は病院占拠が起きた時点で国が出てきて一気に制圧するだろうし、チャンネルも遮断するだろう。もし、国の命令で動いているのなら、本当の鬼は国や総理となるが、その気配はない。反対に、当時の政府の対応と県の意見が食い違い、船での集団感染の対処が間違ったために感染が広がり、国には極秘で自治体がウイルスの研究をしている可能性もある。そうなればそこには知事や備前の“大義”があることになるが、果たして。
感染のテーマはドラマ『パンドラの果実~科学犯罪捜査ファイル~』と繋がる?
人質内にいる鬼への内通者は、予想されている通り病気を患っている看護師・安芸(呉城久美)だろう。そして彼女も鬼になる理由がある。第9話の予告映像には、感染症専門医の甲斐正美(西原亜希)に抱きしめられている様子が映っていた。甲斐といえば、播磨院長と感染に関する秘密を公表することで揉めて殺害された人物。灰鬼/常陸潔(水橋研二)の内縁の妻であり、桃鬼/常陸亜理紗(浅川梨奈)にとっては母親にあたる。この親子が死の真相を追求するために鬼になったように、安芸も甲斐に助けられた過去があり、甲斐の弔い合戦として鬼に協力しているのではないか。
そう考えると、死因が偽装された3人の存在に繋がってくる。神奈川県立医科大学感染症研究センターの研究員・加賀大輝(橋本悟志)は、茶鬼/加賀雄吾(大水洋介)と橙鬼/加賀流星(森田甘路)の末弟。小学4年生の日向聡介(森島律斗)は、黄鬼/摂津公明(柏原収史)と白鬼/日向ゆり子(真飛聖)の1人息子。そして鬼たちの関係性が不明な大学院生の山城琴音(上西星来)。
第9話の予告では、ホテルの廊下で研究員の加賀が倒れ、側を通りがかった日向と山城が助ける映像がある。ここから推測できるのは、研究中に加賀が感染し、倒れたタイミングで日向と山城にも感染。そのウイルスを公にされたくないためにホテルに隔離されたが、研究中のワクチンを打つも死亡した。そして交通事故での焼死として処理されたというストーリー。行方不明となっている山城は、おそらく抗体菌が生まれたことで、人体実験や研究をする為に行方不明者として病院地下4階で保存されているのではないか。
今作の脚本を手がけた福田哲平は、2022年に放送されたドラマ『パンドラの果実~科学犯罪捜査ファイル~』(日本テレビ系)でも同様のエピソードを書いていた。不老不死研究のウイルス学者が、ウイルスに強い耐性を持つ女性の体中で感染力の強いウイルスを作り、人類選抜計画を企てる。そして科学犯罪対策室が、その危険なバイオテロに立ち向かう。この繋がりを見れば、考えられる線だろう。