『舞いあがれ!』次なる成就は? 横山裕×山下美月に漂う安堵感

『舞いあがれ!』悠人×久留美に漂う安堵感

 連続テレビ小説『舞いあがれ!』(NHK総合)の第21週となる「新たな出発」が放送された。今週は、舞(福原遥)と貴司(赤楚衛二)の結婚式が執り行われるなど、祝福ムードでスタート。2人はめぐみ(永作博美)と共に、岩倉家で新生活を送ることになった。

 舞と貴司の結婚披露パーティが行われたノーサイドには、懐かしい人々が集結した。なにわバードマン時代の良き先輩である由良(吉谷彩子)、航空学校時代に同期だった倫子(山崎紘菜)、ばんば(高畑淳子)をはじめとした五島の懐かしい顔ぶれ。そんな中、久留美の父の佳晴(松尾諭)が連れてきたのは悠人(横山裕)だった。なんだかバツの悪そうな顔をしながらも妹の結婚式に参加した悠人に、めぐみたちも安堵の表情を見せる。

 結婚式の後に悠人が公園のベンチに座っていると、そこに缶ビールを持って現れたのは、久留美(山下美月)だった。2人は仲良く肩を並べて座るとビールを飲みつつポツリポツリと話を始める。「これから何やったらええんやろなぁ……。俺にできることは、金稼ぐことぐらいで……」とぼやく悠人は、どうやらまだ新しい仕事が決まっていない様子。それに対して久留美は「お金かせげるってすごい才能やと思いますけど」と返す。久留美はこれまでに苦労し、金を稼ぐことの大切さもわかっているゆえ、この言葉が慰めなどではなくまぎれもない本音であることが伝わってくる。そして“金を稼ぐ才能”を認めてもらうことほど悠人にとってうれしいことはないのではないか。インサイダー取引で刑罰こそ受けたものの、元々は自分の仕事に誇りを持ち真面目に努力してきた悠人である。そんな悠人をありのままに認めてくれる人が近くにいたことに胸が熱くなった。

 思い起こせば佳晴と悠人、久留美を取り巻くエピソードは、過去(第88話)にもあった。その当時、悠人は自分自身の判断ミスがインサイダー取引に繋がり、自暴自棄になっていた。そして雨に打たれ公園に倒れていたボロボロの悠人を助けたのは、通りかかった佳晴である。なにより低体温症に陥り朦朧としていた悠人を介抱したのが看護師の久留美なのだ。手際よく対処して、悠人の体力を回復させる。さらには強がって舞とめぐみを突っぱねてしまう悠人を強い態度で諭して、家族仲を修復させるきっかけをも作ってくれた。

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