『100万回 言えばよかった』ついに発見された直木の遺体 泣き崩れる井上真央に心が痛む

『100万回 言えばよかった』直木の遺体

 早速、直木が事件に巻き込まれるきっかけでもあり、2人の始まりの場所でもある里親の家に向かった悠依。そこで大きな違和感に気づく。カーペットがないのだ。そして、直木の手に握りしめられていた植物によく似た鉢植えがある。悠依は、ここで直木は襲われたのではないかと確信する。

 そして、アルバムが収められた戸棚からこぼれ落ちた写真たち。悠依が手にした遊園地の写真には、悠依と莉緒(香里奈)、そして殺された涼香(近藤千尋)の若き日の姿が。悠依は写真の涼香を見ても「この子……」とほとんど記憶に残っていない様子。この日、どんな経緯で3人が集まり、何を話をしたのか。もしかしたら、そこから事件の謎を紐解くことができるかもしれない。

 そんな悠依の横で直木が胸の痛みを訴える。幽霊となった今、寒さも感じなかったはず。それなのに、なぜ痛みが出るのか。そこにも何か大きなヒントがあるようだ。直木が胸を抑える直前に目にしたのは、棚の上にあった盆栽鋏。そして、耳にしたのは、かつて2人で「古時計」と笑ったあの壁掛け時計の12時を告げる音だった。きっと、殺されたときの様子がフラッシュバックしたのだろう。

 この里親の家が殺害現場だとするならば、ここを知る限られた人間の中から容疑者が浮かび上がる。そこで最初に脳裏によぎるのは、直木とはビジネスパートナーとも言える洋食屋「ハチドリ」のオーナーである英介(荒川良々)だ。今回、行方不明となっていた子どもを探しにキャンプ場へ向かう際、独り言で「なんであんなとこに」とつぶやいていたのも気になる。

 もちろん「子どもがひとりであんな遠いところに行くなんて」と聞こえるが、「誰も寄り付かない場所だと思って直木を置いたのに」という意味にも思えなくもない。だが、直木がいればこそ洋食屋「ハチドリ」を運営できていた英介が、直木を手に掛ける動機がない。むしろ直木がいなければ、困るのは英介だ。

 となると、やはり莉緒が事件の鍵を握っているのは間違いなさそうだ。とはいえ、莉緒が直木の身体を1人で山林まで運べるとは考えられない。まだまだ真相を突き止めるにはピースが足りない。

 次回は、まずは悠依が忘れてしまっている記憶の欠片を見つけに遊園地に向かうようだ。もちろん悠依と直木について譲も一緒に。それが、予告を見るとなぜか「デート」ということになっているのも笑いを誘う。

 そんな3人のやりとりが愛しくて、つい事件や直木がいつか成仏することを忘れそうになる。いや、忘れたいのかもしれない。私たちの脳みそはわがままだから。いつまでも消えてほしくない。けれど、何があったのかは知りたい。その悶々とした思いを抱えながら、金曜の夜を楽しみに待ちたい。

■放送情報
金曜ドラマ『100万回 言えばよかった』
TBS系にて、毎週金曜22:00~22:54放送
出演:井上真央、佐藤健、シム・ウンギョン、板倉俊之(インパルス)、平岩紙、春風亭昇太、荒川良々、松山ケンイチ
脚本:安達奈緒子
プロデューサー:磯山晶、杉田彩佳
演出:金子文紀、山室大輔、古林淳太郎
編成:中西真央、吉藤芽衣
主題歌:マカロニえんぴつ「リンジュー・ラヴ」(TOY’S FACTORY)
製作:TBSスパークル、TBS
©︎TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/100ie_tbs/
公式Twitter:@hyakumankai_tbs
公式Instagram:hyakumankai_tbs

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