『大病院占拠』なぜ比嘉愛未に安心感を感じるのか? “母性的な優しさ”を得るまでの軌跡

比嘉愛未が“母性的な優しさ”を得るまで

『純愛ディソナンス』対照的な性格の正樹と慎太郎 真っ直ぐで力強い髙橋優斗の芝居

孤独になった正樹(中島裕翔)の一筋の涙と、新たなはじまりを感じさせる慎太郎(髙橋優斗)の手の温もり。『純愛ディソナンス』(フジテ…

 ただ、『純愛ディソナンス』(フジテレビ系)での碓井愛菜美役は自分の思い通りになるように相手を陥れる悪女で、嫉妬や狂気という人の醜い部分をリアルに演じていた。優しく接している演技が逆に恐怖をあたえるなど、悪役が見事にハマっていたと言える。しかしこの役も様々な悩みを抱え、決してただの悪役ではなかった。これまでのキャリアがあるからこその真面目なイメージを覆す面白さがあり、またミステリアスな雰囲気を活かしていた。

 こうした役柄の傾向を考えると、今作でも実は犯人である鬼側と繋がっていた……など、いつ豹変しても不思議ではない。第1話を観る限り、病院には不満がありそうだし、鬼たちが妙に裕子の言うことは聞いていたようにも感じる。彼女の冷静さは殺されないことを知っての安心感から来ていてもおかしくない。

 とはいえ、閉じ込められた建物の中で単身テロリストと戦う夫と、人質となり周りを安心させつつ犯人たちと交渉する正義感の強い妻というのは、ブルース・ウィリス主演映画『ダイ・ハード』を思い出す。その点では、比嘉は今作では絶対的なベビーフェイスという見方が無難だろう。ただその“正義感”がどちらに向くのかが大きな鍵となってくるはず。オリジナル脚本なだけに、流れによっては当初の構想と変わってくる可能性も十分にあるが、櫻井演じる三郎が自由に動き回る為にも、女神的な存在として物語の中心に立っていてほしい。

■放送情報
『大病院占拠』
日本テレビ系にて、毎週土曜22:00~放送
出演:櫻井翔、比嘉愛未、ソニン、白洲迅、宮本茉由、ぐんぴぃ(春とヒコーキ)、平山浩行、津田寛治、稲葉友、阪田マサノブ、笠原秀幸、筒井真理子、渡部篤郎
脚本:福田哲平
演出:大谷太郎
チーフプロデューサー:田中宏史
プロデューサー:尾上貴洋、茂山佳則
制作協力:日テレアックスオン
製作著作:日本テレビ
©︎日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/dbs/
公式Twitter:@dbs_ntv
公式Instagram:@daibyoinsenkyo_ntv

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