有村架純、松本潤とさすがの相性 愛情溢れる瀬名は『どうする家康』の正統派ヒロインに
1月8日から放送が始まったNHK大河ドラマ『どうする家康』。松本潤が演じる主人公・徳川家康は、最初の妻・瀬名(有村架純)と出会った頃の名を松平次郎三郎元信といい、駿河の今川義元(野村萬斎)のもと、人質として暮らしていた。臆病で幼かった次郎三郎にとって、心を許して穏やかな時間を過ごせる相手が瀬名で、瀬名もまた彼の弱さを好ましく感じていた。
戦乱の世、生き残るためには何を選ぶのが正解なのか、度重なるピンチをどうにかくぐり抜けながら少年時代を生きる次郎三郎。彼は、現実逃避しがちな気弱なプリンスそのものだった。そして、森の中で現実逃避の真っ最中のところ、花を摘んでいた瀬名に見つかり、強引に彼女の遊び相手をさせられる。嬉々として“かくれんぼ”をして遊ぶ2人。戦が続き、厳しく辛い現実から逃れる一瞬の癒しの時間が流れる。
瀬名を演じる有村架純の佇まいは、ただ可憐なだけでなく、「戦が怖い」という当たり前の感情をそのまま受け入れ、力も弱く、心も弱く、お腹も弱い次郎三郎のそういう弱さと優しさを好きだというおおらかさ、慈愛にも満ちている。
次郎三郎は瀬名との結婚後に元康に改名、2人の間には嫡男の竹千代が誕生した。2人目も産まれるというときに起きたのが「桶狭間の戦い」である。戦が怖い元康に与えられた役目は、大高城への兵糧入れ。お米を運ぶだけでいい、と判断した瀬名は胸をなでおろす。「うちの殿は弱虫、泣き虫、鼻水たれですものね」と瀬名に言われ、元康も「そうじゃ、そうじゃ」と、はじけるような笑顔で答える。家臣が見たら嘆くしかない2人のやりとりだが、そこには仲睦まじい2人だけの特別な時間が流れていた。
「瀬名は殿を戦に行かせず、共に隠れてしまおうかなどと思ったくらいです。どこかへこっそり落ち延びようかなんて」と言う瀬名を、元康も当然否定したりしない。「世の騒がしさも我関せず、ただ私たちと竹千代とこの子だけで、静かにひっそりと……」と、戦に巻き込まれることなく、家族が平和に暮らせることへの願いを口にした。
有村架純は今回、愛情あふれる温かい女性として瀬名を表現。完璧な正統派ヒロインとして存在感を発揮しているが、意外にも大河ドラマは初出演になる。主演の松本潤とは3度目の共演で、最初の共演は2014年放送のドラマ『失恋ショコラティエ』(フジテレビ系)だった。そのときの関係性は兄妹。主人公のショコラティエ、小動爽太(松本潤)の妹・小動まつりを演じた。