高橋一生にとっても運命的な作品に 熱狂が続く『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』注目ポイント

『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』注目ポイント

 NHKドラマ『岸辺露伴は動かない』の制作陣が再結集した映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』が、5月26日に公開されることが発表された。朝5時の情報発表を受けて、ニュースがYahoo!トピックス入りしたのはもちろんのこと、「ルーヴル」や「露伴先生」「#岸辺露伴は動かない」といった関連ワードが軒並みTwitterのトレンドランキングを席巻した。

 『岸辺露伴は動かない』は、荒木飛呂彦の漫画『ジョジョの奇妙な冒険』(集英社)のスピンオフ作品。『ジョジョ』の第4部『ダイヤモンドは砕けない』に登場する人気漫画家の岸辺露伴を主人公に、相手を本にして生い立ちや秘密を読み、指示を書き込むこともできる特殊能力「ヘブンズ・ドアー」を持つ。その露伴に高橋一生を迎えたテレビドラマ版は2020年から毎年12月に放送され、3年目となる2022年にはすっかり年の瀬の風物詩に。これまで第1期(第1話〜第3話)、第2期(第4話〜第6話)、第3期(第7話〜第8話)とオンエアを重ねる中で、一コマ毎のシーンや細かなセリフまでを記憶しているような『ジョジョ』のコアファンから、このドラマ『岸辺露伴は動かない』で初めて荒木飛呂彦作品に触れたというライト層まで、幅広い視聴者層を魅了し続けてきた。

『岸辺露伴は動かない』第3期の注目ポイントは? 渡辺一貴監督に聞く実写化の醍醐味

高橋一生が主演を務めるドラマ『岸辺露伴は動かない』(NHK総合)の新シリーズが、12月26日から2夜連続で放送される。  20…

 それは露伴の「ヘブンズ・ドアー」の能力と彼の人柄が自然と分かる描写を毎期の冒頭に必ず入れていること、さらに『ジョジョ』ではお馴染みの「スタンド」を「ギフト」と呼び、事前知識なしでもスッと物語へと入りやすいように「入り口」を大きく開けていることが、ファン層を拡大し続けている大きな要素であると考える。それでいて、『ジョジョ』のアニメシリーズでも脚本とシリーズ構成を手がけている小林靖子、生粋の『ジョジョ』ファンでもある演出・監督の渡辺一貴と高橋一生によって随所にインサートされた作品への愛を感じる脚本、演出、芝居がファンも納得するほどの信頼となって、映画化という形に結実したと言える。

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 2022年12月26日、27日に放送された第7話「ホットサマー・マーサ」、第8話 「ジャンケン小僧」には、今回の『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』を想起させるワードがすでに散りばめられていた。リアルな取材ができずにイラ立つ露伴に担当編集の泉京香(飯豊まりえ)がリモート越しにかけた「緊急事態宣言が明けたら、海外でもどこへでも取材に行きましょう」というセリフ、そして第3期ラストを締めくくる京香の「『ネタは世界中に転がっている』。あっ……パリ……! ルーヴル美術館」というワードは、次回作が『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』であるのだと熱心なファンはそう信じていたはずだ。

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