大泉洋が喜怒哀楽をドラマティックに表現 映画『グリンチ』は吹替版も必見
制作にあたっては、先にカンバーバッチの声の芝居が収録され、それにあわせてアニメ―ションを作っていくという手法がとられた。ハリウッド映画の吹き替えが初めてだった大泉は、カンバーバッチの演技を完璧にトレースすることを求めるスタジオ側の細かいチェックに大苦戦していると当時ボヤいていたが(※)、彼の感情表現豊かな演技が複雑な想いを抱えたグリンチに絶妙にマッチ。クリスマス好きの村人たちにぶっきらぼうに接する“やさぐれ感”や喜々として意地悪&破壊行為を行うヴィランっぷり、さらにふとした時に見せる哀しみなど、グリンチの喜怒哀楽を巧みな演技でドラマティックに表現している。
大泉はこれまでにも様々なキャラクターに声をあててきた。複数のジブリ作品で声優を務めているのはよく知られるところだが、『千と千尋の神隠し』(2001年)の番台蛙役や、三鷹の森ジブリ美術館で上映された短編『星をかった日』の行商人・メーキンソー役、そしてTEAM NACSのメンバー全員で参加した『思い出のマーニー』(2014年)の山下医師役など、出番は少ないながらも演じたキャラの人柄が伝わってくるアフレコだったと評判も上々。
このほかにも、ニンテンドーDS用ゲームソフト『レイトン』シリーズを映画化した『映画レイトン教授と永遠の歌姫』(2009年)では、ゲーム版に続いて主人公であるレイトン教授を好演。優秀な考古学者にしてナゾ好きの英国紳士役は、大泉の知性&礼儀正しさがにじむ声にぴったりハマっていた。
さらに世界三大自転車レースを舞台とする『茄子 アンダルシアの夏』(2003年)で熱戦を繰り広げる主人公のペペに扮したり、細田守監督作『バケモノの子』(2015年)では口が悪い猿顔のバケモノの多々良役を務めたりと、幅広い役柄にトライ。イケメン主人公から一癖ある個性的なサブキャラクターまで変幻自在のなりきりぶりは、声の芝居が上手な俳優ランキングに大泉の名が度々挙がることからも分かるだろう。
そんな大泉の声優としての出演作の中でも人気が高い作品が本作だ。“クリスマスの代名詞”とも称されるグリンチの素敵な物語と大泉の名演をこの機会に堪能してほしい。
参照
※ https://moviewalker.jp/news/article/161986/
■放送情報
『グリンチ』
フジテレビにて、12月23日(金)26:35~放送(関東ローカル)
プロデューサー:クリス・メレダンドリ
監督:ヤーロウ・チェイニー、スコット・モシャー
声の出演:ベネディクト・カンバーバッチ
日本語吹替版声優:大泉洋、杏、秋山竜次(ロバート)、横溝菜帆、宮野真守
©︎2018 UNIVERSAL STUDIOS
公式サイト:https://grinch.jp/