『舞いあがれ!』『ばらかもん』が描く五島の日々 若者の移住先として人気の理由

『舞いあがれ!』五島が移住に最適な理由

 舞が祖母・祥子(高畑淳子)や木戸(哀川翔)、信吾(鈴木浩介)、さくら(長濱ねる)と触れ合ったように、半田もなるのおかげで、子供から大人までたくさんの個性豊かな島民に出会う。これまでやったことのない海や山でのアクティビティや島の恒例行事に参加し、彼らと交流を深める中で半田が学んでいくのは、失敗を恐れずに自分が決めた道を突き進んでいくことだ。

 舞や半田の姿を見ていると、人の自主性を育て、自尊心を高めるのはやっぱり「よかよか」の精神なのだと思わされる。まずは何でも自分でやってみせて、それを見守る。たとえ失敗したとしても責め立てない。そうした精神が根付いているから、五島には子育て世代が多く集まってくるのではないだろうか。

 また、移住者のみならず、五島市は島外から小学校3年生から中学校3年生の児童・生徒を1年間受け入れ、教育を行う「しま留学制度」も設けている。どうやら『舞いあがれ!』の世界でも、信吾が同じような取り組みを行っている様子。

 第12週では、留学体験で母親と一緒に五島にきた少年と、リーマンショックの影響で入社が1年延期となった舞との交流が描かれる。五島でかつて大人たちに見守られ、大きく成長した舞が今度は誰かの成長を見守る番になるというわけだ。何かと忙しい年末年始だからこそ、本作を通じて五島に流れる緩やかな時間を感じたい。

参照

※ https://www.projectdesign.jp/articles/c7929c2c-3e73-44a2-99c7-5ed6f775a982

■放送情報
NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:福原遥、横山裕、高橋克典、永作博美、赤楚衛二、山下美月、目黒蓮、長濱ねる、高杉真宙、山口智充、くわばたりえ、又吉直樹、吉谷彩子、鈴木浩介、高畑淳子ほか
作:桑原亮子、嶋田うれ葉、佃良太
音楽:富貴晴美
主題歌:back number 「アイラブユー」
制作統括:熊野律時、管原浩
プロデューサー:上杉忠嗣
演出:田中正、野田雄介、小谷高義、松木健祐ほか
主なロケ予定地:東大阪市、長崎県五島市、新上五島町ほか
写真提供=NHK

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