『還魂』シーズン2始動 チョン・ソミンを失ったイ・ジェウクが新たに結ぶ関係

『還魂』シーズン2が始動 

 待望の第2部がNetflixで配信スタートした『還魂』(全10話)。本作は歴史にも地図にも存在しないテホ国を舞台に、人と人との魂が入れ替わる“還魂術”によって運命が変わってしまった主人公たちが道を切り拓いていく物語である。

 少しおさらいをすると、ナクス(コ・ユンジョン)の魂が入った還魂人のムドク(チョン・ソミン)は天附官の副官主チン・ム(チョ・ジェユン)によって暴走し、最愛のチャン・ウク(イ・ジェウク)を自らの手で刺して敬天大湖に身を投げる結末に。しかしウクは「氷の石」により復活を遂げたのだ。シーズン2となる『還魂:光と影』では、あれから3年の月日が流れている。テホ国は干ばつが続いて水の気が減り、還魂人は増え続けている状況。200年前と同じ争いが起こる日がそこまで来ていることを予測させる。今回のテーマは「光と影」であり反転だ。この反転に着目すると物語が動くポイントが見えてくるだろう。

 ウクは「氷の石」により生かされていたが、それは生き地獄でもあった。その力を欲しがる悪霊に常につきまとわれ、人々は彼を避ける。何より人生を共にするはずの伴侶を失い、自分は生き残ってしまった。ウクの口から「ムドク」の名前が出てこないのも、胸に剣が刺さったままの痛みや恋しさを今も抱いているからだろう。人と瞳が見える距離感になると「この距離に人を入れるのは慣れていない」と呟くウクの言葉が全てを語る。

 なかでも関心が寄せられていたのはナクスと瓜二つの女性の正体だろう。結論から言えば、体はチン・ブヨン、魂はナクスという体と魂が一体となった存在で、彼女はチン・ブヨンとして生きていたのである。だがブヨンの持つ神力はなく、ナクスの記憶はない。ナクスはこの3年間、チン・ホギョン(パク・ウネ)によって鎮妖院に閉じ込められていた。ナクスの姿を知らないウクと記憶のないナクスは再会ではなく初対面となってしまったが、ここから運命は動き出す。鎮妖院から抜け出したいナクスはウクと出会って早々「新郎になってほしい」と懇願。一方のウクは「氷の石」から開放されるためにブヨンの神力を利用したいとの考えだ。シーズン1では、ウクがナクスに師弟関係を申し出たが、シーズン2はナクスがウクに夫婦関係を申し出る。この始まりも反転の1つと言える。

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