『舞いあがれ!』山崎紘菜がお茶をぶちまける 矢野が放った「変えるためにここへ来た」

『舞いあがれ!』山崎紘菜がお茶をぶちまける

 『舞いあがれ!』(NHK総合)第53話で、舞(福原遥)は中澤(濱正悟)と矢野(山崎紘菜)を気にかける。舞は矢野に「倫子さん。中澤さんに何か言いたいことあるんとちゃいます?」と問いかけた。舞と矢野が中澤に会いに行くと、中澤は離婚届を出そうとしていた。2人は中澤を引き留める。

 第53話は、中澤の妻・美幸の立場や思いを代弁するかのような矢野の言葉が印象的な回となった。もちろん美幸の本心は彼女にしかわからない。けれど、男性が優先される職場で悔しい思いを重ねてきた矢野のような思いを抱えながら、美幸が中澤を支えてきた可能性も否めない。

 これまで中澤は“愛妻家”を名乗りながらも、妻と電話で口論になっていたり、矢野に対して「わかった。ここは女性に譲るとしよう」と上から目線で言ったりと、その言動がSNS上でも話題になっていた。最終審査前に離婚届が送られてきたことに「そりゃ、集中できないよ。できるわけないだろ! だって愛してるんだから」と中澤は訴える。だが、その後の中澤の台詞にはやや自己中心的な思想が垣間見える。「何で俺が離婚しなきゃいけないんだ。パイロットになって、家族養って、一体何が不満なんだよ」と嘆き、矢野から「中澤は、美幸さんの夢、聞いたことあるの?」と問われた際には「あいつの夢は、俺の夢を支えることとか?」と答える。その回答に矢野が呆れると「俺がパイロットになるのを諦めればいいのか」と口にした。何を答えても呆れる矢野に、中澤が苛立ちを覚える姿にはハラハラさせられた。

「中澤が夢を追いかけられるのは、中澤が男だからだよ」

 これまでも矢野が中澤の言動に憤りを覚える場面が度々あった。彼女の過去にどんな出来事があったのか詳しくは語られていないが、中澤の言動は矢野に過去を思い出させるようだ。矢野は女性機長を目指す自分の夢を通じて、美幸が置かれている立場を伝えようとするが、中澤は「別に、俺がそうしたわけじゃない。男が稼いで、女が家庭を守る。そう決めたのは世の中だろ」と答える。矢野は手にしていたお茶を中澤にぶちまけ、「だから私は変えたいの! 変えるためにここへ来たの」と声を荒らげた。怒りに身を任せたように見えたかもしれないが、矢野が伝えたかったことは怒りではない。

「自分の人生を、世の中に決められたくない」

 記事冒頭でも触れたが、美幸の本心は美幸にしか分からない。けれど矢野は「私がパイロットになりたいって思ったように、美幸さんもやりたいことがあるかもしれない」と伝える。中澤は妻を愛しているが、彼女の本心を見ようとしてこなかったのだろう。矢野は口調こそ強いものの、中澤と真正面から向き合い、中澤もまた、そんな矢野の思いを聞いて心が動いたようだ。その後、中澤は手紙に思いを綴り、夫婦2人で話し合う機会を得た。

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