西島秀俊、城島茂、村上信五ら『はぐれ刑事』出身俳優が藤田まことから受け継ぐバトン
第12~14シリーズにはケイン・コスギが出演。コスギは、アクションのない演技だけの勝負で3年間出演できたことが大きかったと自叙伝で語っている。演じる野田刑事は、ニューヨーク帰りの経歴を持つ愛されキャラで、シリーズ最初の殉職刑事でもある。ここから殉職で降板するパターンが定着。第15~16シリーズに出演したのは賀集利樹。『仮面ライダーアギト』(テレビ朝日系)で有名となり、放送終了直後にレギュラー出演。最後は命令違反を起こし交番勤務からの再出発を決意し異動した。
そして、2004年の第17シリーズから2009年12月26日放送の『最終回スペシャル』のシリーズ最後まで出演したのが、関ジャニ∞の村上信五だ。演じる真木刑事役は、新人らしく無茶したり失敗も多く、バイタリティのある刑事。髪が長く軽い茶髪で、喋ると明るく緩い感じが刑事というよりホストっぽい雰囲気だった。レギュラーとなった2004年に関ジャニ∞としてデビューするが、すぐには人気が出ず下積み時期が長く続いた村上。人気者になっていくのに比例して真木刑事も凛々しい刑事となっていった印象がある。藤田さんの年齢や体調、ストーリーのマンネリなど限りが見えていた中で、晩年のドラマ人気を村上は支えていたように思う。
また、少年隊の植草克秀も2005年の第18シリーズから愛妻家で敏腕刑事の夏目役として出演し、 2006年のスペシャルで殉職している。ジャニーズの中でも城島、村上、植草という人選から、親しみやすい人柄のメンバーが好まれていたことが伺える。本シリーズはあくまでも藤田まことさんを見たい視聴者がメインなので、新人俳優を温かい目で見守る姿勢があり、演技を学ぶ場として各事務所が新人を送りやすい作品だったのかもしれない。
さて、西島にとってテレ朝での連ドラの刑事役は30年振りとなる『警視庁アウトサイダー』だが、西島は現在51歳。藤田さんが『はぐれ刑事』を始めたのは54歳で、年齢も近い。藤田さんからの「本業をゆっくりと」という教えを胸に歩んできた30年、現在の西島は人情味のある演技もできる俳優となった。今作は東映ではなくKADOKAWA制作で、サスペンス色の強いドラマとなりそうだが、西島は30年のキャリアをどんな味わい深い演技で見せてくれるか楽しみだ。城島や村上もキャリアを重ねた今だからこそ、人情系のドラマでの活躍が見てみたい。
■放送情報
『警視庁アウトサイダー』
テレビ朝日系にて、2023年1月5日(木)スタート 毎週木曜21:00~21:54放送
出演:西島秀俊、濱田岳、上白石萌歌ほか
原作:加藤実秋
脚本:髙橋泉
音楽:末廣健一郎
演出:木村ひさしほか
ゼネラルプロデューサー:服部宣之
プロデューサー:藤崎絵三、長谷川晴彦、山形亮介
制作協力:KADOKAWA
制作:テレビ朝日
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