『チェンソーマン』デンジが学ぶ性欲と“親密さ”の違い 心理描写を深める多様な接写に注目

 先述のようにとにかく今回は瞳と手、そして胸の接写が多い。アキの弟・タイヨウの悴んで赤い手、マキマの口元と手先、胸。接写といえば、MAPPAスタジオ名物の「瞳」も今回のキーショットのように思えた。デンジの瞳いっぱいに映るマキマ、一方で何も映さないマキマの瞳、そして姫野の瞳。姫野の瞳に関しては、回想シーンでバディを失った彼女の瞳のハイライトと、現在のそれが全く違っていることが細かい。個人的には、現在の瞳を遠目に見ると早川アキに見えてならないのだが、それもまたデンジと同様に、その瞳の中に映る人に囚われていることを意味している。「アキくんは死なないでね」。6人もバディを失った彼女が縋り付くのは、アキの生であることが垣間見える彼女の言葉だ。

 さて、退魔特異4課も本格登場し、我らがスターのコベニちゃんも満を持して出てきたのに「えっ」「あっ」などのセリフだけなのがまたコベニちゃんらしい。ホテル内ではすでに悪魔を見つけて殺したのに、彼らは8階に閉じ込められてしまった。エンドレス・エイト、その真の恐怖が次回描かれることになる。

 最後に余談ではあるが、ホテルに潜入する前にアキがデンジとパワーの“朝のいたずら”について激怒していたシーンについて。そのいたずら内容は原作漫画でも明記されていなかったが、アニメリアルタイム放送時に原作者・藤本タツキがSNSにて実況中継をしている際、ついに何が起きたのか判明した。

 デンジとパワーがアキの鼻に排泄物をつけたらしい。怒って当然だ。

■放送・配信情報
『チェンソーマン』
テレビ東京ほかにて、毎週火曜24:00〜放送
Amazon Prime Videoにて、毎週火曜25:00〜最速配信
各プラットフォームにて、毎週水曜25:00〜見逃し配信
キャスト:戸谷菊之介(デンジ)、井澤詩織(ポチタ)、楠木ともり(マキマ)、坂田将吾(早川アキ)、ファイルーズあい(パワー)、伊瀬茉莉也(姫野)、高橋花林(東山コベニ)、八代拓(荒井ヒロカズ)、津田健次郎(岸辺)、内田真礼(天使の悪魔)、花江夏樹(サメの魔人)、内田夕夜(暴力の魔人)、後藤沙緒里(蜘蛛の悪魔)、大地葉(沢渡アカネ)、濱野大輝(サムライソード)
原作:藤本タツキ(集英社『少年ジャンプ+』連載)
監督:中山竜
脚本:瀬古浩司
キャラクターデザイン:杉山和隆
アクションディレクター:吉原達矢
チーフ演出:中園真登
悪魔デザイン:押山清高
美術監督:竹田悠介
色彩設計:中野尚美
画面設計:宮原洋平
音楽:牛尾憲輔
オープニング・テーマ:米津玄師「KICK BACK」
挿入歌:マキシマム ザ ホルモン「刃渡り2億センチ」
エンディング・テーマ:
ano「ちゅ、多様性。」
Eve「ファイトソング」
Aimer「Deep down」
Kanaria「大脳的なランデブー」
syudou「インザバックルーム」
女王蜂「バイオレンス」
ずっと真夜中でいいのに。「残機」
TK from 凛として時雨「first death」
TOOBOE「錠剤」
Vaundy「CHAINSAW BLOOD」
PEOPLE 1「DOGLAND」
マキシマム ザ ホルモン「刃渡り2億センチ」
アニメーションプロデューサー:瀬下恵介
制作:MAPPA
©藤本タツキ/集英社・MAPPA
公式サイト:https://chainsawman.dog/
公式Twitter:@CHAINSAWMAN_PR

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