平手友梨奈&長濱ねるが飛躍 『六本木クラス』『舞いあがれ!』で辿り着いた現在地

平手友梨奈&長濱ねる“てちねる”の飛躍

 7月7日から9月29日までの約3カ月、全13話という現在のテレビ朝日木曜ドラマ枠としては珍しいロングランとなった『六本木クラス』が終了し、早1カ月。ヒロインの一人である葵を演じた平手友梨奈のバトンを受け継ぐようにして、10月3日からは長濱ねるが朝ドラ『舞いあがれ!』(NHK総合)に出演している。

 2人に共通するのは欅坂46出身であること。現在の櫻坂46においても、菅井友香や小林由依など舞台や映画に出演する面々はいるが、出身メンバーとしては平手と長濱が群を抜いた活躍を見せている。

 グループ時代は「てちねる」(正式な名義は「てち&ねる」)の愛称で「微笑みが悲しい」というユニット曲もあったほど、ファンから絶大な人気を誇っていた平手と長濱。ただ、現在2人が演じるキャラクターは正反対とも言えるほどに異なっている。

 平手が欅坂46所属時代、映画初出演にして初主演を飾った『響 -HIBIKI-』に始まり、最新の『六本木クラス』に至るまで、演じているほぼ全ての人物に共通しているのが「天才」であるということだ。その原点には「サイレントマジョリティー」を筆頭としたセンターとして欅坂46の先頭に立つ姿があるが、『響 -HIBIKI-』では圧倒的な文才を持った現役女子高生・鮎喰響を演じ、その劇中の演技を観て『梨泰院クラス』原作者のチョ・グァンジンは『六本木クラス』の葵役に平手を推薦した。(※)

平手友梨奈、欅坂46時代からの全てが繋がった『六本木クラス』 飛躍的に成長した2年半

折り返しを迎え、物語のクライマックスへと向かっているドラマ『六本木クラス』(テレビ朝日系)。本作は、韓国ドラマ『梨泰院クラス』の…

 『響 -HIBIKI-』から約4年、彼女の演技力が作品を重ねるに連れて格段に上達してきたことは言うまでもないが、『六本木クラス』において目新しかったのは、平手としては初のラブロマンスが描かれたこと。主人公・宮部新(竹内涼真)への恋心がやがて愛へと変わっていく、その瑞々しくも美しい表情を見て、彼女の中にはさらなる演技のギアが何段階も残されていることを確信した。

 2020年7月7日にドキュメンタリー番組『セブンルール』(カンテレ・フジテレビ系)で電撃的に芸能界への復帰を果たした長濱。モデル、エッセイスト、ラジオパーソナリティなど、好奇心の赴くままに幅広く活躍している彼女は、今年2月に放送となった『君と世界が終わる日に 特別編』(日本テレビ系)が、ソロ活動後初のドラマ出演となった。演じたのは、小さな命をお腹に宿す看護師の亜希役。ゴーレムと呼ばれるゾンビに占拠された死と隣り合わせの世界における、ある種の“弱さ”の象徴としてありながらも、そこから自我を強く持ち始めるストーリーのキーパーソンでもある。守ってあげたくなるような存在という部分では、長濱がアイドル時代から持つパブリックイメージとも一致する。

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