『舞いあがれ!』“鶴田先輩”足立英に聞く、俳優への志 履歴書を書き続け腱鞘炎の過去も

『舞いあがれ!』足立英に聞く、俳優への志

ずっとやりたかった“関西弁”

――なにわバードマンの部長・鶴田を演じる上で、どんなことを大切にされましたか?

足立:鶴田は部長なので、僕を含めてなにわバードマンの部員11人を仕切っていかなきゃいけないんです。なので、台本には書かれていないけど、まずは10人それぞれとの関係性を構築していくことを心がけました。役として書かれていることからできるアプローチと、本人同士の“素”の中から生まれたものをリンクさせて。「鶴田とはこういう人間だ」とは、あえてあまり考えないようにしていましたね。部員を輝かせようとしなければ、鶴田の役は輝かないだろうなと思ったので、みんなが動きやすいように立ち振る舞ったり、お芝居ではないときにも、アットホームに楽しくワイワイできるように。ふだんは率先してまとめるタイプではないので、玉本役の細川岳さんが「本当に部長みたいやな」と言ってくれたときは嬉しかったです。NHKにいるときは、鶴田っぽくいられたんじゃないかなと思います(笑)。

――関西弁でのお芝居はいかがでしたか?

足立:関西弁はやったことがなかったので、ずっとやりたかったんです。ただ、台本にある部分は安心してできるけど、カットがなかなかかからないんですよ(苦笑)。「関西弁で語彙がないから」と臆するのは嫌だったので積極的にアドリブを出すんですけど、カット後に「あれは使えないね」ということがあったりして、そこは難しかったですね。あとは、なにわバードマンには、福岡、宮崎、鹿児島の人もいて。同じ関西弁でも京都の方もいるので、流されないように気をつけていました。

――ふだん使い慣れない言葉での演技は難しいように思います。

足立:初舞台で福島の会津弁を喋ったときに、イントネーションの波を意識しすぎて「メロディーになっちゃってるな」と実感することがあったんです。もちろん本番にはものすごく練習して臨むんですけど、その失敗が僕の中にあったし、その場で生まれるものの方が大事だと思ったので、現場ではあまり考えずに「もし間違ってたら先生が言ってくれるから」とリラックスするようにしていました。

全員が本当にいいメンバー

――主人公・舞を演じる福原遥さんの印象についても聞かせてください。

足立:遥ちゃんは、本当にいい子ですね。共演は2回目だったんですけど、いつ会っても元気だし、明るくて、心が綺麗で、一緒に居るだけで温かい気持ちになれる希有な人だと思います。パイロットになるために体重を減らさなきゃいけないんですけど、実際に食事制限やバイクのトレーニングをしていて。みんながお昼休憩で食堂に行くなか、遥ちゃんは自分で作ってきた味噌汁しか飲んでいなかったり、心配になるくらいストイックに取り組んでいました。

――まさにドラマと同じ状況だったんですね。吉谷彩子さん、高杉真宙さんの印象は?

足立:彩子さんは、すごくかっこいいです。お芝居の相談もさせてもらいましたし、彩子さんから流れを作ってくれるというか。本当に11人がすぐに仲良くなったんですけど、その大きな要因は“吉谷彩子”が担っていたなと思います。真宙くんは怖そうだなと思っていたんですけど(笑)、会ってみたら「こんなに腰の低い人がいるんだ」と思うくらいで。かわいいのが、真宙くんは人見知りなので、呼び方が「足立さん」から「英さん」になっても、ちょっと期間が空くとまた「足立さん」に戻っちゃうんですよ。僕は「英さん」がいいんだよな……って、なんか片想いみたいですね(笑)。でも、最終的に「英さん」に落ち着いたので、僕としてはすごく嬉しかったです。今の3人だけではなくて、全員が本当にいいメンバーだなと思います。

――温かい現場だったんですね。その中で、「これが朝ドラか」と感じるようなエピソードはありましたか?

足立:僕は映像の経験が少ないから、どうなんでしょうね(笑)。でも、たしかに撮影のスピード感はめっちゃ速いと思います。リハーサルも、その週に撮る分を20〜30シーン一気にやるので、みんな大変そうな顔をしていました。僕は嬉しすぎて、台本も全部覚えちゃったのでワクワクが強かったんですけど、今後、何かを思い知っていく気がします(笑)。それから放送後の反響のすごさは、「これが朝ドラか」と思いますね。何十年ぶりに同級生から連絡が来たりして、ビックリしました。事前に出ることを知らなくて、「ドラマを観てたら出てきて驚いた」という連絡が多くて、すごく嬉しいです。

――では、今後やってみたい役柄はありますか?

足立:難しい質問ですけど、悪役をやってみたいです。

――鶴田先輩のイメージが強いので、想像がつかないです。

足立:ですよね。だから、やってみたいです(笑)。

――この先、どんなふうに役者道を歩いて、どんな役者になっていきたいですか?

足立:たとえば対立する役だったら、人によっては口をきかないようなアプローチをする場合もあると思うんですけど、それはそれで置いておいて、ちゃんと人対人として、会う人会う人と、その場でその都度、良い関係を築いていきたいなと思います。

――人とのご縁を大切に、ですね。

足立:本当に。そして、「足立くんに任せたい」と言ってもらえるような役者になりたいです。「足立くんと仕事したい」とか、僕に会いたいとか。制作側の方や共演者さんに、足立英として好かれたいです。

――上京した頃と今で、役者に対する思いに変化はありますか?

足立:最初はそれしかない、という気持ちで(この世界に)入ってきましたけど、今はもう楽しくて仕方がないです。一生続けると思います!

■放送情報
NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:福原遥、横山裕、高橋克典、永作博美、赤楚衛二、山下美月、目黒蓮、長濱ねる、高杉真宙、山口智充、くわばたりえ、又吉直樹、吉谷彩子、鈴木浩介、高畑淳子ほか
作:桑原亮子、嶋田うれ葉、佃良太
音楽:富貴晴美
主題歌:back number 「アイラブユー」
制作統括:熊野律時、管原浩
プロデューサー:上杉忠嗣
演出:田中正、野田雄介、小谷高義、松木健祐ほか
主なロケ予定地:東大阪市、長崎県五島市、新上五島町ほか
写真提供=NHK

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<応募締切>
11月15日(火)

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