『舞いあがれ!』切実だった新名基浩演じる“空さん”の語り 愛と情熱が舞の背中を押す

『舞いあがれ!』先輩らが舞の背中を押す

 人力飛行機サークル「なにわバードマン」が、8月の記録飛行に向けたテストフライトを実施。そこで「スワン号」は不時着し、パイロット・由良(吉谷彩子)は足を骨折してしまう。記録飛行まであと2カ月。『舞いあがれ!』(NHK総合)第4週「翼にかける青春」第20話では、舞(福原遥)の中でパイロットに挑戦したいという気持ちが芽生え始める。

舞いあがれ!20話

 パイロットは子供の頃から空に憧れた舞の夢であること、目標であり憧憬の念を抱く由良の代わりに部員の中で最も体格の近い自分がーーという思いが前提にはあるものの、舞がパイロットに志願しようとした理由は、先輩部員たちの「スワン号が飛ぶところを見たい」という熱い気持ちに後押しされたのが大きい。

 大学2回生である由良には、また来年『イカロスコンテスト』に出場するチャンスが残されている。けれど、由良の中には「私が飛びたい」ではなく、先輩らとともに作り上げた「スワン号を飛ばしたい」という思いが強くあった。『舞いあがれ!』で描かれているのは、チームの顔となるパイロットだけでなく、設計担当の刈谷(高杉真宙)をはじめ、プロペラ班の玉本(細川岳)、胴体班の佐伯(トラウデン都仁)といったスワン号を支える部員一人ひとりの汗と涙と時間、そして飛行機に懸ける情熱と愛によってスワン号は飛んでいるということだ。

舞いあがれ!20話

 由良としても、自分を慕ってくれている舞にスワン号が飛ぶ姿を見せてあげたかった。そんな舞がパイロットへ志願してくれたことは誰よりも嬉しかったはずだ。自分にも他人にも厳しい由良。華やかな世界の裏には、厳しいトレーニングだけでなく、部員の期待を背負うプレッシャーという自分との戦いが待っていることを教え、舞の背中を優しく押し出す。

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