奈緒が語る、俳優として覚悟を決めた“転機” 「私自身も知らない私に出会える」

奈緒が語る俳優として覚悟を決めた“転機”

「今までにない気持ちと出会っている」

――ひらがなの芸名から、本名の「奈緒」に改名されて5年。改名された頃が、ちょうど意識改革の時期に重なりますか?

奈緒:振り返ってみると、改名前がちょうど自分のなかで迷ったり悩んだりしていた時期です。いろんなことに理由をつけて自分が傷つかないようにしていた。その時期はその時期で、あってよかったと思いますけど、「奈緒」としてのスタートは、自分のなかで改めて覚悟が決まった瞬間でもあったと思うので、確かに意識の面で変化が大きかった時期です。

奈緒

――役と向き合うという面で変化していることはありますか?

奈緒:そこはお芝居を始めたころからずっと変わっていません。いつも役のなかに、少しだとしても自分と重なる要素を見つけて、そこから広げるようにしています。

――本作の和佳役で、俳優として新たに殻を破れた部分はありますか?

奈緒:普段、自分のなかで一番苦手なのが、“怒る”という感情です。今回、そこにきちんと向き合う時間を作れたと思います。演じるにあたってだけでなく、自分という一人の人間として考えても、大切な時間になっていると思います。なぜ怒るのか。怒ること自体が目的になってしまうのは一番嫌なので、「怒り」というものすごいエネルギーを持つ感情の背景に、どういう気持ちがあるのか、紐解いて大切に考えるようにしています。

――それこそ最初のお話の「知らなかった自分」にも出会えそうですか?

奈緒:予感はあります。今まで出会ったことのない気持ちにさせていただいているので、知らず知らずのうちに「自分」が広がっていっていると思いますし、知らなかった世界を見ていけるんじゃないかと感じています。何よりも今回、ドラマという長期撮影のなかで、母親という役をやらせていただいて、学ぶことがすごく多いです。“愛”について、垣間見ている感覚があります。

――喜怒哀楽が非常にはっきりと出ているキャラクターですが、そうした大きな感情表現の際には、どこかで俯瞰されているご自身もいるのでしょうか?

奈緒:現場に入る前までは、客観的な自分がいますが、お芝居をしている最中には、俯瞰では捉えられていない瞬間が多いです。自分でも、もうちょっと俯瞰できたらいいなとは思うのですが……。

奈緒

――最後に読者にメッセージをお願いします。第3話で、会社の社長になり、みんなとの距離も近くなりましたが、まだまだ問題がありそうですね。

奈緒:「お魚ボックス」事業がどうなっていくか、もちろんまだピンチを迎えることもありますが、第4話は「さんし船団丸」のみんなと和佳が同じ方向を向いて進んでいくための特に大切な回になっています。ぶつかる瞬間もありますが、ぶつかり合うのもいいなと思ってもらえる回になっているんじゃないかと思います。あと家族の話も入っていて、第4話は、山中篤(梶原善)の息子・たくみ(上村侑)にも注目です。たくみの成長を通じて、自分自身を受け入れて、前向きに進んでいくことの大切さも描かれています。この先も、ドタバタ劇のなかで、和佳や漁師たちみんなが同じ方向を向いていく瞬間を見守ってもらえたらと思います。

■放送情報
『ファーストペンギン!』
日本テレビ系にて、毎週水曜22:00〜放送
出演:奈緒、堤真一、鈴木伸之、渡辺大知、松本若菜、ファーストサマーウイカ、遠山俊也、志田未来、中越典子、梶原善、吹越満、梅沢富美男
脚本:森下佳子
演出:内田秀実、小川通仁ほか
企画プロデューサー:武澤忠
プロデューサー:森雅弘、森有紗
チーフプロデューサー:三上絵里子
主題歌:緑黄色社会「ミチヲユケ」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
制作協力:日テレアックスオン
製作著作:日本テレビ
©︎日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/first-penguin/
公式Twitter:@ntv_penguin
公式Instagram:@ntv_penguin

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