『舞いあがれ!』“お父ちゃん”高橋克典に心打たれる 東大阪で繰り広げる町工場の奮闘劇
『舞いあがれ!』(NHK総合)第13話では、舞(浅田芭路)の模型飛行機作りが始まる。浩太(高橋克典)は舞に、自分の夢が飛行機作りだったことを伝えた。模型飛行機作りに奮闘する舞の裏で、浩太も工場の経営がピンチに陥る中、その現状を打破しようと取り組んでいる。高橋が見せる感情の機微が胸を打つ回となった。
浩太は取引を打ち切られたカワチ鋲螺を何度も訪問している様子だ。その度に課長の森本(森本竜一)から煙たがられている。「どんな仕事でもやらしてもらいますんで」と頭を下げる浩太だが、森本から投げかけられる言葉が現実を突きつける。頭を下げ続ける浩太の表情から悔しさや不甲斐なさが滲み出る。
浩太はめぐみ(永作博美)に、経営が苦しく、悠人(海老塚幸穏)を私立中学に受験させるのは難しいと相談する。浩太は悠人に「今、工場がしんどうてな。公立の学校で頑張るいうのは、どうや?」と正直に現状を打ち明けた。浩太なりに気を遣っているのだが、悠人には受け入れられない。浩太は心苦しい表情で悠人の怒りを受け止めることしかできなかった。
浩太は幼なじみの勝(山口智充)の前で「もうあかんかもやわ」と弱音を吐いた。浩太が正直に弱音を吐く姿を見ていると、浩太と勝の飾らない関係性がうかがえる。「工場潰してしもたら、僕……何のために飛行機諦めたんやろ」と落ち込む浩太に、勝は「どっちも頼んない2代目やけど、お互い近くにおったら心強いやんか」と励ます。勝はその後、「何気色悪いこと言うてんねん」と、浩太と雪乃(くわばたりえ)からツッコミを入れられてしまうが、勝の言葉が浩太の背中を押したことは明らかだ。浩太はようやく、肩の力の抜けた笑顔を見せる。