黒島結菜が『ちむどんどん』で誕生させたニューヒロイン像 高まる『クロサギ』への期待

黒島結菜が誕生させたニューヒロイン像

 『カツベン!』(2019年)で演じたサイレント映画時代の初々しい若手女優役や、『明け方の若者たち』(2021年)で演じた現代の等身大のヒロイン像など、黒島が務め上げてきたキャラクターは多岐にわたるが、思い返せば朝ドラ『スカーレット』で演じた松永三津という女性も、強烈な自我を持つ存在だった。そして短い出番ながら、ドラマの展開をかき乱した。黒島は身の回りの人々を翻弄する役どころがじつに上手い。その究極の姿が暢子だったのだろう。

 演技とは基本的に、他者との“やり取り”だ。そこでは当然ながらそれ相応のコミュニケーション力が必要とされる。であれば、他者を置き去りに、あるいは翻弄しなければならない演技というのは、これはまた異なるコミュニケーション力が必要とされるはず。ヒロインがただ一人で突っ走るだけではドラマとして成り立たない。黒島は暢子という、ニュータイプのヒロイン像を誕生させたのだ。そんな彼女は息つく間もなく、この秋クール放送の連続ドラマ『クロサギ』(TBS系)に顔を見せる。しかもポジションはヒロインだ。“『ちむどんどん』以降”の黒島結菜は、果たしてどのような演技を展開するのだろうか。

■放送情報
連続テレビ小説『ちむどんどん』
NHKオンデマンドにて配信中
主演:黒島結菜
作:羽原大介
語り:ジョン・カビラ
沖縄ことば指導:藤木勇人
フードコーディネート:吉岡秀治、吉岡知子
制作統括:小林大児、藤並英樹
プロデューサー:松田恭典
展開プロデューサー:川口俊介
演出:木村隆文、松園武大、中野亮平ほか
写真提供=NHK

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