赤楚衛二が語る、『石子と羽男』での変化 有村架純×中村倫也との共演が学びに

赤楚衛二が語る、『石子と羽男』での変化

「僕のモヤモヤにヒントをくれる」

――大庭は、依頼者から法律事務所でのアルバイトを経験し、会社員になったり、石子との関係性も物語の中で変わっていく役どころですが、役作りで意識したことはありますか?

赤楚:なにかしら特徴があるというよりも普通の男の子という印象だったので、素の自分に近いのかなと思いました。弁護士だったら弁護士の勉強をしたりとかあると思いますが、カーディーラーは営業というところで、営業の仕事をしている友人にちょっと話を聞いたりはしましたが、それよりも「どういう過去を歩んできたのか」とか、「石子さんとの距離感」を膨らませていくようなことをしました。

――具体的にはどういった部分が素の自分に近いのでしょうか。

赤楚:弟がいるとか、剣道をやっているとか。車が好きだったりとか。そういった設定の部分で似ているところがありますし、大庭の部屋も雑貨が多いとか、自分の好きなものにあふれているところが似ているなと思います。

――じゃあすごく演じやすい?

赤楚:演じやすさで言うと、自分に近すぎても難しいんだなというのは思います。自分のことって意外と見えていないので、大庭のずれている感じが「まんまだね」とか言われるんですけど、「あ、僕こんな感じなんだ」と思うこともあって。逆に離れていた方がやりやすかったりするのかもしれないですね。でも大庭のちょっとずれているところは、演じていて楽しくてしょうがないです(笑)。

――今回の役どころで、挑戦だなと思っているところはありますか?

赤楚:今まで演じてきた役が全部軟派かって言われたらそうじゃないんですけど、芯のある男というか、ちょっと硬派な部分というところは挑戦なのかなと思います。

――具体的に何か意識していることはありますか?

赤楚:姿勢は意識しています。でも、「男っぽくいようぜ」って意識しちゃうとそれはそれでガタガタしちゃうので、それ以外は、なるべく意識しすぎないようにはしています。

――演じていていかがですか?

赤楚:役の広げ方は難しいなと思います。でも、やってみたら「こういうところは自分も持っているんだ」と思うこともあって、役との共通認識は1つ1つ増えてきているなという手応えは感じています。

――大庭は、第1話で石子と羽男に助けてもらいましたが、撮影を通して赤楚さん自身が共演者の方に助けられたエピソードなどありますか?

赤楚:気持ちの整理的な部分で助けてもらっています。相談に乗ってもらうと、有村さんも中村さんも一緒に考えて、教えてくれて、僕のモヤモヤにヒントをくれます。それに救われています。

――具体的に提案とかアドバイス通りに実行すると、モヤモヤが解決できるんですね。

赤楚:どっちの想いを大切にしているか難しいシーンで、「こっちじゃない?」って言われた方でやってみると、言いづらかった言葉がスッと出てきたり。あと、「こうやったら面白いんじゃない?」という提案もしてくれます。二人とも主観と客観をしっかり持ってバランスよく見えてるんだなと感じました。

石子と大庭の恋愛パートはどう演じている?

――第4話で、石子が羽男に飲みに誘っているシーンの大庭の寂しいような悲しいような表情が印象的でした。大庭は羽男に対して恋のライバル的な意識を持っているのでしょうか?

赤楚:恋愛のライバルというより、助けてもらった恩人でもありますし、ちょっと変わっているところがあるけれど、尊敬する先生でもあるという認識です。どちらかというと石子先輩をとられるんじゃないかという心配よりも、仲間に入れていない自分の力不足みたいなところなんじゃないかなと。嫉妬は全くないけど、仕事として仲間になれていないというコンプレックスは抱えていたと思います。

――石子への感情が恋に代わった瞬間というのは、いつだと思いますか?

赤楚:ここだという表現はないので難しいですね……。ただ、就職の面接前に石子先輩が「行ってらっしゃい!」と送り出してくれたシーンは、大庭を演じていてグッときました。あとは一緒に過ごしていく中で徐々に、少しずつ好きになって、好きを自覚をし始めていったのかなと考えました。

――告白のシーンはいかがでしたか?

赤楚:5話(告白の告白のシーン)は、お隣さんの木の事件で、「恋愛っていいな」と思って完全に乗っかった感じですよね(笑)。石子先輩好きだし、仕事も就活もうまくいくし、大人の恋愛も見れたし、全部揃ったから「よし、行こう」みたいな。どちらかというと失恋したらどうしようというよりも、けじめをつけたかったからというか。どうにかなるでしょ、どうにでもなれみたいな。フラれることは怖いと思っていなくて、ちゃんと僕は向き合っているので、あとは石子さんの選択ですよみたいな感じでした。

――ラブストーリーではないので、石子と大庭の恋愛模様を描くシーンが多いわけではないと思います。そんな中で付き合った後で石子との距離感が近づいたというのを視聴者に伝えるために、工夫したことはありますか?

赤楚:有村さんとも話したんですけど、今の関係性の延長線上でいれる二人が魅力的なんじゃないかなって。恋人になったから急に距離を近づけようではなく、今のままでいて、プライベートなお家に入ってきたときはガチガチになったり、そういうところで二人の微笑ましさが見えたらいいなと。でもさすがに、付き合う前より、ほんのちょっと距離は縮まっている気はします。

「生きやすい社会になったら嬉しい」

石子と羽男ーそんなコトで訴えます?ー

――赤楚さんがこの作品を通して、視聴者に伝わったらいいなということはありますか?

赤楚:今回いろんな形の事件を取り扱っていますが、法律は最終手段というか、なるべく避けて通りたいという風に思われがちだと思います。でもどちらかというと、円滑に進めるための、近いところにいる存在だなということが分かると思います。このドラマを観た誰かにとって、生きやすい社会になったら嬉しいです。

――赤楚さん自身にとっては法律に対する距離感は本作を通して近づいた感覚はありますか?

赤楚:ありますね。僕は以前、弁護士ものでパラリーガルをやらせていただいたことがありますが、その時は殺人事件や放火など、重めの話もあったりして、究極に助けてもらう時の武器だなという感じでした。ですが今回は、相談係というか、窓口といったもっと近い存在に感じられるようになりました。

――最後に視聴者の方にメッセージをお願いします。

赤楚:9、10話では、大庭の家族とのやりとりや、弟との関係性がすごく素敵だなと思うので注目していただきたいです。事務所内の何気ない会話で、大庭がちょっとずれた発言でひっかきまわすような、周りから突っ込まれるみたいなのは、演じていても楽しいので、皆さんにも楽しんで観ていただければと思います。

■放送情報
金曜ドラマ『石子と羽男ーそんなコトで訴えます?ー』
TBS系にて、毎週金曜22:00~22:54放送
出演:有村架純、中村倫也、赤楚衛二、おいでやす小田、さだまさし
脚本:西田征史
演出:塚原あゆ子、山本剛義
プロデュース:新井順子
編成:中西真央、松岡洋太
音楽:得田真裕
主題歌:「人間ごっこ」RADWIMPS(Muzinto Records / EMI)
製作:TBSスパークル、TBS
©︎TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/ishikotohaneo_tbs/
公式Twitter:@ishihane_tbs
公式Instagram:@ishiko.to.haneo_tbs

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