反町隆史&竹野内豊、『ビーチボーイズ』コンビがアラフィフで迎える転機
その後の反町は、元暴走族のリーダーで非常勤高校教師の鬼塚英吉を演じた『GTO』(1997年/フジテレビ系)で人気が頂点に。パワフルな熱血教師というだけでなく、友達感覚で生徒と接する頼れるアニキ的存在感がハマり、最終回の視聴率は35.7%を記録し(※)、反町人気は不動のものに。以降、『Over Time オーバー・タイム』(1999年/フジテレビ系)や『ラブコンプレックス』(2000年/フジテレビ系)、大河ドラマ『利家とまつ~加賀百万石物語~』(2002年/NHK総合)など人気作に出演。
ただ、20代でスターに昇り詰めた代償なのか、30代は配役として難しい年齢にさしかかり、反町が出演した7月15日放送の『A-Studio+』(TBS系)で、「30代の時は自分も持て余していた」「30代って役が意外とないんですよ」と語り、水谷豊に「30代の頃の記憶がほとんどない」と葛藤を打ち明け「俺の30代の時もそうだった、気にしなくていい」と言われたエピソードを自ら語るほど。そんな中2013年、41歳の時に『相棒』で4代目“相棒”に抜擢され、水谷の側で主演俳優としての立ち振る舞いを改めて学んだ。歳を重ねた大人の色気だけでなく、7年間という歳月が熱血漢でお調子者というみんなが大好きだった反町を取り戻し、再び俳優としての魅力が輝き始める。
一方、竹野内は知的でクールな役者として様々なタイプのラブストーリーが続く中、『ヤンキー母校に帰る』(2003年/TBS系)では新境地となる熱血高校教師や、『BOSS』(2009年/フジテレビ系)で主演の敏腕刑事である天海祐希と絶妙な掛け合いを見せるチャラい刑事、そして『素敵な選TAXI』(2014年/カンテレ・フジテレビ系)では時間を遡ることができるタクシーの運転手を演じ、渋くカッコいいからこそ、話好きのおせっかいなおじさんという意外性がハマり、コメディの才能を開花。
そして『義母と娘のブルース』(2018年/TBS系)では、優しさとその裏側にある深い愛情に包まれた父親役を演じ、サポート役としていい味を出す役者に。反町と違い、竹野内は年齢を重ねるごとに役柄の幅が広がり、意識しないで自然な演技ができる役者になっていく。2023年公開の映画『探偵マリコの生涯で一番悲惨な日』でも、伊藤沙莉演じるバーテンダー兼探偵・マリコの彼氏で自称忍者という一風変わった役を演じる。クールな竹野内だからこそ変なことをさせる面白さがある。フリーになったことでリミッターが外れた役が今後増えてもおかしくない。
アラフィフになった今、完全に若手を見守るポジションでの上司役や、逆に大人気ない役もハマるだろうし、大人の恋愛劇も見たい年齢で、最強のイケオジ俳優として引く手あまただろう。ただ、今の年齢になったからこそ『ビーチボーイズ』の続きを観ることができたら面白い。ドラマでは自分たちの新たな海を目指して別々の方向に旅立った2人が、今この年齢になってどんな答えと演技を見せるのか。それはあくまでも夢物語だが、2人にはいつまでも憧れのカッコいい大人としての存在でいてほしい。
参考
※ https://www.videor.co.jp/tvrating/past_tvrating/drama/01/post-2.html