寺島しのぶ主演映画『あちらにいる鬼』本予告＆ポスター公開　高良健吾、村上淳らも出演

　11月11日に全国ロードショーされる寺島しのぶ主演映画『あちらにいる鬼』の本予告とポスタービジュアルが公開され、あわせて追加キャストが発表された。

　本作は、直木賞作家・井上荒野が、父である作家・井上光晴と母、瀬戸内寂聴をモデルに創作した同名小説を、監督に廣木隆一、脚本に荒井晴彦を迎え映画化したもの。

　昨年11月、満99歳で波乱の人生を全うした作家・僧侶の瀬戸内寂聴。1960年代から人気作家・瀬戸内晴美として活躍した彼女が出家した背景には、同業者で妻子ある井上光晴との恋があった。出会うべくして出会い、互いにのめり込んでいくふたりと、全てを承知しながら心を乱すことのない男の妻。本作では、同志にも共犯にも似た不思議な3人の関係を描き出す。

　文学に導かれ、求め合う主人公・長内みはる、のちの寂光役で主演を務めた寺島のほか、井上光晴をモデルとした白木篤郎役で豊川悦司、白木の妻・笙子役で広末涼子が出演。さらに今回、高良健吾、村上淳、蓮佛美沙子、佐野岳、宇野祥平、丘みつ子の出演も発表された。

　人気作家の長内みはる（寺島しのぶ）は、講演旅行をきっかけに戦後派を代表する作家・白木篤郎（豊川悦司）と男女の関係になる。一方、白木の妻である笙子（広末涼子）は、夫の手あたり次第とも言える女性との関係を黙認、夫婦として平穏な生活を保っていた。だが、みはるにとって白木は肉体の関係だけに終わらず、書くことによる繋がりを深めることで、かけがえのない存在となっていく。2人のあいだを行き来する白木だが、度を越した女性との交わりは止まることがない。白木を通じて響き合う2人は、どこに辿り着くのか。

　公開された予告編では、寺島が実際に剃髪し挑んだ、厳かで清らかな得度式のシーンで幕を開ける。髪を落とした寺島演じる寂光・長内みはると向き合って座る、豊川悦司演じる白木篤郎は下を向いてうなだれている。互いにパートナーがありながらも逢瀬を重ねるふたり。白木は隣で眠る演じる妻・笙子（広末涼子）に「俺はあんたが一番大事なんだから」とささやき、笙子は「どうして、ああ嘘ばかりつくんでしょうね」と心の内を吐露する。ひとりの男を分かち合うふたりの女、共感にも連帯にも似た3人の関係性が垣間見える映像となっている。

　寂光・長内みはるを演じる寺島は、そのキャラクターについて「“すごく生きてる”っていう人ですよね。やりたいことは全てやるし、突き進むし、我慢しない。それが生きていくってことなのよって、どの場面においてもブレがない。今日はちょっと元気が無いなと思いつつ現場に行っても、みはるになると、逆に元気になっちゃう。もちろん映画は原作と違うし、ましてやモデルとなった方たちとは距離がありますが、撮影中は寂聴さんが背中にぴたってくっついて、ずっとパワーをくれていたような気がします」と語る。

　愛に生き、ときに愛に苦しんだ彼らについて、寺島は「モデルとなった井上光晴さん亡き後の奥様と寂聴さんとの関係や、荒野さんと寂聴さんとの関係も他人には窺い知れない関係性ですけど、あの時代を共に生きた、確かに在った。その関係性を観て頂けたらと思います」とコメントした。

　あわせて公開されたポスタービジュアルでは、みはると白木、笙子それぞれのシチュエーションが切り取られており、「愛という言葉を持ち出せば、すべてが許されるのだろうか」というコピーが添えられている。

■公開情報
『あちらにいる鬼』
11月11日（金）全国ロードショー
出演：寺島しのぶ、豊川悦司、広末涼子
監督：廣木隆一
脚本：荒井晴彦
原作：井上荒野『あちらにいる鬼』（朝日文庫）
企画・制作：ホリプロ
配給・宣伝：ハピネットファントム・スタジオ
製作：「あちらにいる鬼」製作委員会
製作幹事：カルチュア・エンタテインメント
R15+
©︎2022「あちらにいる鬼」製作委員会
公式サイト：happinet-phantom.com/achira-oni
公式Twitter：@achira_oni