『PLAN 75』『ビリーバーズ』など多数出演 磯村勇斗の“抜群の対応力”と“チャレンジ精神”

そんな磯村は、この夏、アート系作品からファミリームービーまで全くタイプの異なる作品に出演し、さまざまな顔を見せてくれている。『PLAN 75』は、75歳以上の高齢者が自らの生死を選択できる制度「プラン75」が施行された世界を舞台に、“生きる”とは何かと問いかける物語。第75回カンヌ国際映画祭ある視点部門に正式出品され、カメラドール特別賞を受賞した社会派ドラマだ。磯村は制度の申請窓口となる市役所の職員・岡部ヒロムを熱演している。

出演に際し、「現代の日本でも問題になっている『高齢化社会』に対して、自分自身もニュースを見たり考えていたタイミングだったので、運命を感じました」(※1)と語っていた磯村。夫と死別し、仕事を解雇されて路頭に迷う主人公・ミチ(倍賞千恵子)や高齢者たちに、優しい心遣いを見せるヒロムの葛藤を繊細に表現している。
そして山本直樹の異色コミックを映画化した城定秀夫監督作『ビリーバーズ』は、とある島で共同生活を送る2人の男と1人の女の信仰&エロスの行方を追った衝撃の問題作。磯村は「ニコニコ人生センター」と称する宗教団体に所属し、瞑想・夢の分析・テレパシーの実験など、教団が指令する“孤島プログラム”に従事する“オペレーター”に扮している。俗世の汚れを遮断し、純粋な信仰心に生きようとするも、抑えきれない欲望によって夢とうつつの境界線が曖昧となっていく。初主演映画となる本作で、磯村は一見すると普通の青年の内側に宿る狂気を躊躇することなく演じきった。

一方、現場一筋30年の鬼刑事・成瀬(阿部寛)に振り回される部下・捜査第一課の坂本祥太を好演した『異動辞令は音楽隊!』では、「あるシーンの撮影では何回もトライさせてもらい、内田(英治)監督とディスカッションを重ね作り上げたシーンもありました」(※2)と撮影を振り返っていた磯村。演じる役柄を全うしようとする気迫はすさまじい。そんな“役を生きる彼”だからこそ、『さかなのこ』で演じた総長役で見せた、“お魚博士”になるために邁進するミー坊(のん)に向けた温かい眼差しが観る者の心を揺さぶるのだろう。

磯村は10月28日に公開される体感型動物図鑑を劇場アニメ化する『カメの甲羅はあばら骨』で、声優にも挑戦予定。果敢にチャレンジし続ける彼から今後も目が離せない。
参考
※1. https://realsound.jp/movie/2022/01/post-955684.html
※2. https://realsound.jp/movie/2022/02/post-960851.html
■公開情報
『PLAN 75』
全国公開中
脚本・監督:早川千絵
脚本協力:Jason Gray
出演:倍賞千恵子、磯村勇斗、たかお鷹、河合優実、ステファニー・アリアン、大方斐紗子、串田和美
企画・制作:ローデッド・フィルムズ
製作幹事・配給:ハピネットファントム・スタジオ
製作:ハピネットファントム・スタジオ/ローデッド・フィルムズ/鈍牛俱楽部/Urban Factory/Fusee
(c)2022『PLAN75』製作委員会 / Urban Factory / Fusee
公式サイト:https://happinet-phantom.com/plan75/
公式Twitter:@PLAN75movie





















