ゲス野郎たちのバトルに脳汁噴出! 『炎のデス・ポリス』のスリラー&アクションに大満足

『炎のデス・ポリス』ゲス野郎のバトルが最高

 リアルサウンド映画部の編集スタッフが週替わりでお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。毎週末にオススメ映画・特集上映をご紹介。今週は南米を旅していたときに警官に賄賂を渡して“とある証明書”を作ってもらった経験のある間瀬が、『炎のデス・ポリス』をプッシュします。

『炎のデス・ポリス』

『炎のデス・ポリス』

「ゲス野郎ォたちによるゥ 腹の探り合いがァ 留置場を戦場に変えるゥ」

 ワーグナーの「ワルキューレの騎行」に合わせて、数々のパワーワードが若本規夫のナレーションで飛び出す予告映像。アクション映画があまり得意でない筆者は、映像を観て「さぞかしドンパチ騒ぎしまくる“だけ”の映画なんだろうな」なんて思っていたわけです。そんな諦観したような(ちょっと失礼な)予想は見事に裏切られ、スリラー要素にドキドキし、絵に描いたようなサイコパスに心を乱され、そして、繰り広げられるテンポの良いガンアクションにいつの間にか手に汗を握らされていました。

 本作では、広大な砂漠地帯に佇む小さな警察署で数人の夜勤の警官たちがルーティンワークをこなしている警察署に、手練れの詐欺師、冷酷非情な殺し屋、サイコパスの殺人鬼の悪党3人が集結。そこに射撃の名手にして正義感の強い新人女性警官が加わり、四つ巴のサバイバルバトルが展開されます。

 監督・脚本を担当したのは、ジョー・カーナハン。不勉強な筆者は過去作を観たことがなかったのですが、『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』(2010年)や、『コンティニュー』(2021年)などの作品から判断するに、監督のファンは間違いなく楽しめる作品に仕上がっているのでは。

 筆者は、登場人物たちがたまに機知に富んだセリフを吐くところを一番楽しみました。いや、“機知に富む”という表現は誤解を生みそうな気もするけれど、警官たちにしろ、サイコパスにしろ、彼らは危険が迫っているときほど当意即妙な言い返しを披露。いい味を出しています。主演のジェラルド・バトラーも、「スリリングな腹の探り合いの末、登場人物がお互い出し抜こうとするところで必ずアクションをするんだ! お互いを操ったり、相手に打ち勝とうとしたりするのさ。個性とか、独特な雰囲気とか、ウィットに富んだ言い返しとか、そういうことが物を言うんだ。どこからどう見ても、典型的なアクション映画ではないよ」(※1)と語っているように、粋な要素が随所に散りばめられているおかげで、筆者のような普段アクションを観ない人もきっと楽しめることでしょう。

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