『ちむどんどん』和彦の“本心”を愛が気遣う展開に 手紙に込められたのは優しさと切なさ

『ちむどんどん』和彦の“本心”を愛が気遣う

 暢子(黒島結菜)は、和彦(宮沢氷魚)、智(前田公輝)、愛(飯豊まりえ)と一緒に海に行った第65話で「この幸せがず~っと続けばいいのに」と願った。暢子は心のどこかでこの幸せは長くは続かないと分かっているから、無意識にそう口にしていたのかもしれない。1週間後の第70話で、4人はもう元通りの関係には戻れないところまで来てしまった。

 沖縄角力大会で智から告げられた暢子へのプロポーズ、はっきりと示された和彦から暢子に向けられた思い。和彦は「全部なかったことにしてくれ。ごめん。愛と結婚する資格がない」と愛に自分なりの別れを告げるのだった。その言葉を受けて、愛は和彦へ1通の手紙を渡す。

『ちむどんどん』

 そこに書いてあったのは、愛が東洋グラフから移籍の誘いを受けたということ。連載「ズボンをはいた女の子」を読んだ編集長からの指名。パリに3年駐在して、現地からの記事を執筆するのが条件となる。決断に迷う愛の背中を押したのは田良島(山中崇)だ。「私の考える幸せに向かって歩いていきたい」。愛は、夢だったパリに進出することを選んだのだった。和彦との別れと一緒に。

 愛の中に和彦への気持ちはしっかりとあった。優柔不断なくせに頑固なところ、ちょっぴり鈍感だけど誰より思いやりがあるところ、嘘がつけないところ、諦めの悪いところ、熱い志を持っているところ。愛はいつも和彦を見ていた。だからこそ、和彦にある暢子への気持ちに気づいてしまった。結局、和彦は“結婚する資格”といった言葉で避け続けてきた自分の本心を、愛に言わせる形になってしまった。愛が、和彦が前に進むことを、そして彼の幸せを願うのは、彼女なりの優しさだ。

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