『ちむどんどん』恋を知ってしまった暢子 黒島結菜の“変化”と変わらないもの
ようやく心の整理がついた暢子は、和彦の恋人・愛(飯豊まりえ)に彼のことが好きだと明かしたうえで、諦めると伝えた……が、和彦からのアプローチが止まらなかった。あからさまに気があるような発言をするから、いくら鈍感な暢子でも、意識してしまう!
一方で、和彦と愛のキスを目撃する一幕も。2人は交際していて、婚約していることも分かっているが、これまで和彦と愛が“恋人”だと直面する場面には遭遇しなかった。1度だけ、キス寸前のシーンには出くわしたが、それはまだ和彦を好きだと自覚する前。改めて2人が恋人なのだ、という現実を突きつけられたのだ。
視聴者として、長らく暢子の喜怒哀楽を見てきたが、和彦と愛のキスを目の当たりにしたときの表情は、今まで見たことがないものだった。このキスシーンの表情しかり、和彦に対するふるまいしかり、恋を知ってしまった暢子の“心の機微”を、黒島結菜が見事に表現しているように思う。やんばる出身の天真爛漫だった女の子の、あのせつない目が忘れられない。
ただ、変わらないものもある。それは料理への情熱や愛情だ。「フォンターナ」の調理場に立っている暢子は相変わらずキラキラしているし、料理、働く人々、来店した客を通して、人生勉強し、人間的にも少しずつ成長している(変わらないところもあるけれど)。
今の暢子にとっての“ちむどんどん”は、夢や希望が詰まった料理には間違いないが、そこにどう恋愛も絡んでくるのか。黒島が紡ぎ出す、暢子の表情や所作にも注目しながら見届けたい。
■放送情報
連続テレビ小説『ちむどんどん』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
主演:黒島結菜
作:羽原大介
語り:ジョン・カビラ
沖縄ことば指導:藤木勇人
フードコーディネート:吉岡秀治、吉岡知子
制作統括:小林大児、藤並英樹
プロデューサー:松田恭典
展開プロデューサー:川口俊介
演出:木村隆文、松園武大、中野亮平ほか
写真提供=NHK