『ちむどんどん』自己矛盾を抱える“ちむどん男子”たち 結婚前の博夫と重なる和彦の言動

『ちむどんどん』博夫と重なる和彦の言動

 和彦(宮沢氷魚)が好き。自分のモヤモヤした感情の正体に気づいた暢子(黒島結菜)。連続テレビ小説『ちむどんどん』(NHK総合)第61話では、恋煩いに陥った暢子の姿が描かれた。

 頭の中が常に和彦のことでいっぱいで、暢子は仕事に身が入らなくなる。メインディッシュを焦がしてしまったり、ホールで粗相をしてしまったり、まるで新人の頃の暢子を見ているかのよう。そんな彼女を見かね、声をかけたのは二ツ橋料理長(高嶋政伸)。オーナーの房子(原田美枝子)に長年思いを寄せる“片思いのスペシャリスト”だ。二ツ橋は“先輩”の話と称して、恋の悩みを仕事の原動力にするようにと暢子に言い聞かせた。

 しかし、答えを先延ばしにしているうちに、どんどん周りが逃げ道を塞いでくる。智(前田公輝)は暢子が献身に看病してくれたことで両思いを確信。まだ暢子からプロポーズ(それも正式ではないが)の返事も聞かないまま、優子(仲間由紀恵)に二人の今後について報告するという。

 本人の気持ちもお構いなしに話を進める智はもちろん勝手だが、暢子はなぜその暴走を制止しようとはしないのか。押しに弱くて周りの意見に一度は流されるも、もはや後戻りが出来なくなったところで自我を取り戻す。それで結果的に誰かを深く傷つけるのが、比嘉家の悪い癖だ。

 一方、両親から和彦との結婚を強引に進められている愛(飯豊まりえ)はしっかり自分と相手の気持ちに向き合おうとする。というのも、ここにきて会社に提案したファッションの企画が通るまであと一歩の状況になってきたからだ。ワクワクして夢に向かって頑張る時間。その幸せを「諦めるのか?」と田良島(山中崇)に問われた愛は迷う。その悩みを和彦に打ち明けるも、彼は答えから逃げるばかりで真剣に向き合ってくれない。

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