『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』北米No.1獲得 今夏最大ヒットの見込み
恐竜たちの咆哮が、再び世界中に轟いた。6月10日~12日の北米興行収入ランキングは、『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』が堂々の1位を獲得。北米4676館にて上映が開始され、3日間で興行収入1億4337万ドルを記録した。海外72市場でも公開されており、全世界興行収入は3億8912万ドルに達している。
『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』は、クリス・プラット&ブライス・ダラス・ハワード主演『ジュラシック・ワールド』シリーズの第3作で、スティーヴン・スピルバーグが『ジュラシック・パーク』(1993年)より開始した『ジュラシック』シリーズの集大成。サム・ニール、ジェフ・ゴールドブラム、ローラ・ダーンという往年のキャストも揃って復帰することも早くから話題を呼んでいた。監督・脚本は『ジュラシック・ワールド』(2015年)以来の監督登板となるコリン・トレボロウ。スピルバーグも製作総指揮に名を連ねた。
『トップガン マーヴェリック』と同じく、かつての人気作の続編としてボックスオフィスを賑わせている本作は、2022年夏における最高のヒット作となる見込み。『ジュラシック・ワールド』シリーズの初動記録では、第1作『ジュラシック・ワールド』の2億880万ドル、第2作『ジュラシック・ワールド/炎の王国』(2018年)の1億4802万ドルに及ばなかったが、コロナ禍ではトップクラスのスタートを切った。『トップガン マーヴェリック』も公開後3日間の興収は1億2670万ドルだったため、本作に軍配が上がることになる。
客層の割合としては若年層が大部分を占めており、17歳以下が23%、18~34歳が46%だから、34歳以下の観客が全体の約7割となる。1993年の『ジュラシック・パーク』公開から29年だから、リアルタイムでシリーズに触れてきた層が熱心に足を運んでいることになるだろう。なお、批評家による作品の評価は芳しくないが、観客からの評判は上々。Rotten Tomatoesでは批評家スコアが30%、観客スコアが79%で、観客への出口調査に基づくCinemaScoreでは「A-」評価を獲得した。
『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』は6月1~2日より韓国やメキシコ、イタリアなどで先行公開が始まっていたが、新たに57市場での公開がスタートし、海外興収は2億4575万ドルに到達。世界興収はまもなく4億ドルに達する勢いだ。
本作は中国で5250万ドルの好スタートを見せており、2022年の海外映画では最高の初動となった。『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021年)や『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』(2022年)、『トップガン マーヴェリック』の公開がなかった中国の観客にとって、本作は久々のハリウッド大作。コロナ禍の海外映画では『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』(2021年)『ゴジラvsコング』(2021年)に続き第3位の記録となった。そのほか海外で秀でた成績を示したのは、イギリス(1540万ドル)、フランス(970万ドル)、オーストラリア(850万ドル)、ドイツ(750万ドル)だ。
『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』には製作費1億8500万ドル、宣伝費1億ドルが投じられているため、配給のユニバーサル・ピクチャーズとしては、現状の勢いがどこまで続くかがポイント。国内配給を統括するジム・オール氏は、本作の大ヒットは「1993年以来の大ファンだけでなく、今回はじめて体験した新しい観客の皆様のおかげ」と述べ、「こういう映画を大スクリーンで観ることがサマー・シーズンの醍醐味」として、さらなる躍進にも期待を膨らませた。IMAXや3D上映の需要も大きく、世界興収の4分の1がプレミアム・フォーマット上映だというから、興行の総合力をもってこのまま突き進みたい構えだ。