カマラ・カーンがパワーを得る“バングル”の秘密とは? 『ミズ・マーベル』第1話レビュー

 こんにちは、杉山すぴ豊です。ここ最近のマーベル、DCのアメコミヒーロー映画まわりのニュースや気になった噂をセレクト、解説付きでお届けします!

 いよいよディズニープラス×マーベル・シネマティック・ユニバース(以下、MCU)の最新ドラマ『ミズ・マーベル』が配信となりました。今回は“ミズ・マーベル”というキャラクターの紹介と第1話のレビューをお届けします。

 ミズ・マーベルはキャプテン・マーベルと関係が深いヒーローです。僕らが映画で知っているブリー・ラーソンが演じるキャロル・ダンバースが変身したキャプテン・マーベルは、元々コミックではミズ・マーベルという名前でした。コミックの方の流れを大雑把に説明すると、まずキャプテン・マーベルというのは男性ヒーローであり、恋人であるキャロルが偶然にも彼と同じ超能力を得てヒーローとして活躍するようになったのが、ミズ・マーベルです。後にキャロルはキャプテン・マーベルの名を襲名。そして彼女に憧れるパキスタン系アメリカ人の少女カマラが超人になった時、ミズ・マーベルの名を彼女に渡すのです。

 今回、ドラマになるのはカマラ版のミズ・マーベル。2013年に刊行されたコミックではニュージャージーに住むパキスタン系のアメリカ人でムスリム(イスラム教徒)の女の子がヒーローということで話題になりました。コミックの設定ではキャプテン・マーベル(キャロル)の大ファンでヒーローオタク。しかし実は彼女の体の中には超人族インヒューマンズの遺伝子があり、それが覚醒し自分の体の大きさや形を自由に変化させるというスーパーパワーを手にします。ここで注目したいのは、このキャラが生まれた2013年にはMCUはすでに始まっており『アベンジャーズ』1作目も公開されています。従ってコミックでデビューした時点で、MCUでもフィーチャーされることが決まっていたのかもしれません。特に昨今のMCUはダイバーシティを意識しているので、ムスリムのヒーローというのはこうした流れにも沿うキャラだと思います。2020年に発売された『アベンジャーズ』のゲームでも彼女が主役でした。というわけで、万を持してのMCUデビューです。

 『ミズ・マーベル』全6回の第1話はカマラ・カーンがスーパーパワーを得るところまでが描かれます。カマラはニュージャージーに住む、空想癖のある16歳の女の子。ヒーローが好きで、キャプテン・マーベルに憧れています。しかし学校では今一つぱっとしないといいますか、意地悪な同級生たちにからかわれています。おりしもニュージャージーではアベンジャーズを称える“アベンジャーズ・コン”なるイベントが開催される。カマラは行きたくてたまりませんが、厳格な母親はそれを許しません。そんな時に祖母から荷物が届きます。中身は祖母が持っていた服やアクセサリーの類ですが、その中にちょっと気になるバングル(腕輪)がありました。カマラは親に内緒で、親友で発明好きの男の子ブルーノくん(ジャスジット・ウィリアムズ)と共にアベンジャーズ・コンに参加します。カマラはキャプテン・マーベルのコスプレをして参加するのですが、衣装のアクセントに祖母が送ってきたあのバングルを装着します。するとバングルから妖しい光が発生。彼女を包み、カマラに不思議なパワーが宿ります。突然のことにカマラはそのパワーを暴走させてしまいイベントは大混乱になってしまいます。この時キャプテン・マーベルのマスクを被っていたため、この騒ぎの張本人がカマラだということは気づかれずにすみました。逃げるように家に帰りますが、アベンジャーズ・コンに行ったことは母親にバレており叱られます。しかしカマラは自分が超人になった喜びにニヤリとするのです。

関連記事