石橋静河、強さも弱さも表現する巧みなアプローチ 『鎌倉殿の13人』静御前は運命の役に
現在放送中のドラマ『悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~』(日本テレビ系)では、主人公の田中麻理鈴(今田美桜)がマーケティング部で働くことになった際、指導する梨田友子役として石橋は登場した。仕事にやりがいを求めず、淡々と日々の業務をこなす倹約家。無駄なことを嫌い、仕事に対する情熱に蓋をしてきた彼女が、麻理鈴の他人を巻き込むほどの出世欲と好奇心に影響を受けて、仕事への愛情を取り戻す過程が自然なかたちで描かれていた。
また、29年ぶりに蘇った令和版の『東京ラブストーリー』(FOD)で演じた赤名リカにも説得力があった。信念を持って仕事に邁進するときのブレない強さや決断力。完治(伊藤健太郎)への思いはありつつ、自分の心には嘘をつけず、結局相手も自分も傷つけてしまうことになっても後戻りできない不器用なところなど、自由奔放なリカの弱さも体現していた。お仕事ドラマ、恋愛ドラマとジャンルを問わず、活躍の場を広げ、映画に舞台に引っ張りだこの存在であることも大いに納得できる。
自然体で、強さも弱さも自在に表現できる石橋が演じる静御前。悲劇のヒロインという儚い存在では終わらせないだろうという、大きな期待が寄せられている。
■放送情報
『鎌倉殿の13人』
NHK総合にて、毎週日曜20:00~放送
BSプレミアム、BS4Kにて、毎週日曜18:00~放送
主演:小栗旬
脚本:三谷幸喜
制作統括:清水拓哉、尾崎裕和
演出:吉田照幸、末永創、保坂慶太、安藤大佑
プロデューサー:長谷知記、大越大士、吉岡和彦、川口俊介
写真提供=NHK