『ちむどんどん』暢子は短距離走タイプ? 上白石萌歌の『トムとジェリー』思わせる一幕も

『ちむどんどん』暢子は短距離走タイプ?

 ヤング大会の料理コンテストで優勝し、就職先にもアピールしたい。この間まで落ち込んでいたのが嘘のように暢子(黒島結菜)は張り切る。『ちむどんどん』(NHK総合)第4週のタイトルは「青春ナポリタン」。第17話では、具材たっぷりの盛り付けを想起させるかのように、ふんだんにエピソードが盛り込まれた。

 やりたいことが見つからない。誰もが通る悩みだ。暢子の場合、眞境名商事への就職が取りやめになったことで、あらためて自身と向き合うことになった。そんな時、早苗(高田夏帆)に声をかけられて、料理部の助っ人としてヤング大会に出店することに。料理をする時の暢子は生き生きとしているが、実際のところ本人はどう思っているのだろう。暢子の思いは優子(仲間由紀恵)が代弁する。

「暢子は今、何がやりたいかわからないことが一番つらい。だけど、そればっかりは何もしてあげられない」

 親としてはもどかしいところだ。短距離走が得意な暢子は、目の前の課題に打ち込むことで答えが出るタイプに見える。暢子自身も気付いていないが、出口はすぐ近くにあるように思える。

 智(前田公輝)はフライドポテトの材料を仕入れるために農家に直談判していた。「商売というものを体で一つひとつ覚えたい」と語る智は、商売人として大切な誠実さをすでに身に付けていて、そんな智に歌子(上白石萌歌)は「智ニーニーは商売で成功する」と太鼓判を押す。歌子は智に思いを寄せており、智が運動会でくれたメダルのお返しのような言葉にキュンとするが、智は歌子の気持ちに気づいておらず、フライドポテトのことは暢子のおかげと言って去る。真顔になってしまう歌子。隠し味のように酸味を感じさせるエピソードだった。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる