『ちむどんどん』竜星涼は破天荒キャラがよく似合う “ニーニ”は愛されキャラとなるか

竜星涼、“ニーニ”は愛されキャラとなるか

 沖縄本島北部のやんばる地域で伸びやかに育ったヒロイン暢子(黒島結菜)が高校生になった様子が描かれる『ちむどんどん』(NHK総合)第3週。ここから比嘉兄妹の成長した後の大人キャストの本格登場する。

 暢子の“ニーニ”で長男・賢秀(竜星涼)の頭には変わらず青い「スーパーバンド」が確認できたが、自由奔放で一見したところヘラヘラしておりトラブルメーカーな一面もあるが、なんだかんだ憎めず許されてしまう、そんな愛されキャラも健在らしい。

 竜星は『ひよっこ』(NHK総合)に続き、本作が朝ドラ出演2作目。優しく人情味溢れる警官・綿引役を好演していたことも記憶に新しい。本作での賢秀役のように調子が良く単純な役どころは、犬飼貴丈と共にW主演を務めた映画『ぐらんぶる』での大学生・北原伊織役でも存分に発揮されていた。終始ハイテンションの振り切れた演技で、青春時代のバカバカしさとそれゆえの煌めきや愛おしさ、不純な動機であっても何かに一生懸命になるひたむきさや眩しさを見せてくれ、ここでもまた憎めぬキャラクターぶりが炸裂していた。このいわゆる陽キャラ全開、だがいじられどころや突っ込みどころ満載なちょっと情けない役どころは竜星が得意とするキャラクターの一側面だろう。

 『同期のサクラ』(日本テレビ系)では主人公の同期入社組の清水菊夫役を熱演。ちょっと過剰なほどの熱さを持ち合わせているも、それが空回りし、上司の顔色ばかり伺いながら自分の本音を押し殺して振る舞うようになり無理を来してしまうという新人のリアルな葛藤を体現した。陽キャラながらも輪の中心でカリスマ性を発揮するタイプというよりも、どこか抜けている部分があり本人が臨むと望まざるとにかかわらず、厄介に“巻き込まれる側”である役どころがよくマッチする。これは、彼自身の好青年かつ善人顔で困り顔がなんともよく似合う人間臭さや柔らかい雰囲気が“マイルドさ”と“熱さ”を絶妙な塩梅で体現できるからだろう。『都立水商! 〜令和〜』(MBS/TBS)で演じた主人公の新米教師・石綿直樹も、彼が思わぬ展開にどんどん巻き込まれていく様子が癖になる。

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