スカパラ 谷中敦が語る俳優業への挑戦 初主演ドラマは「自分を投げ出して楽しんでいる」

スカパラ 谷中敦が男前の変人教師に!?

 東京スカパラダイスオーケストラのメンバーとして、30年以上にわたって第一線で活躍を続ける谷中敦。俳優としてもキャリアを重ねており、昨年もドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』(カンテレ・フジテレビ系)、『泣くな研修医』(テレビ朝日系)への出演が話題を集めた。そんな谷中が、『渋谷先生がだいたい教えてくれる』(TOKYO MX)でドラマ初主演を果たす。

 舞台は、芸術の世界を目指す生徒が集まる専門学校。谷中は男前だけれど、風変りな謎の教師・渋谷を体当たりで演じる。ドラマ『半沢直樹』(TBS系)の脚本も担当した金沢知樹によるドラマパートの面白さも期待できるが、本作の特徴は、「悩み相談」を受けた渋谷が、行きつけのバーで生徒たちを前に熱いアドバイスを送るトークパートだ。相談事は、生徒役の若手アーティスト自身の悩みを反映しており、そこに渋谷先生として、谷中が自分の言葉で答える。さらには毎話、谷中と関わりの深いアーティストたちが「渋谷先生の友人」として本人役で登場する。

 ドラマパート、トークパートと1粒で2度おいしい本作。谷中が、ドラマパートに「自分自身をこう見せたいというより、人のアイデアで俺というイメージで遊んでもらって、見る人に楽しんでもらえれば」、トークパートに「若い子が僕らと話をすることで新たに感じられることもあるし、僕らも脳を活性化できるので、すごく面白い」と話した。(望月ふみ)

最初に脚本を読んだときはちょっとビビりました(笑)

――谷中さんにアテ書きされた脚本だと思うのですが、「男前なのに変人」という謳い文句を見ました。

谷中敦(以下、谷中):あはは。やったことのないことをやらせてもらえるのは、すごく嬉しいです。正直に言うと、最初に脚本を読んだときはちょっとビビりました(笑)。「OK!」というローラさんの真似とか、ほかにもいろいろと、こんなことできるかなという言動が登場しますので。でも自分自身をこう見せたいというより、自分を投げ出して楽しんでいるので、見て頂く方にも楽しんでもらえればと思っています。たとえばInstagramなんかをやっていると、「これいいな」「かっこいいな」と思う写真を自分で選んでいくので、どこか似たような雰囲気になってしまうんです。そこから脱することができない。こうした機会はせっかくですから、人のアイデアで俺というイメージで遊んでもらって、それに自分も乗っかって全力でやったものを、視聴者のみなさんに楽しんでもらえたらと。結構命がけでやってます。

――全力で応えているところなんですね。

谷中:演じる渋谷先生も僕も55歳ですが、このくらいの年齢ともなると、自意識が剥がれまくっているので、自意識だか無意識だか、もう分からないような状態なんです(笑)。それを、『半沢直樹』の脚本も書かれた金沢知樹さんに遊んでもらえるんですから、すごく嬉しいです。やっていて本当に飽きない面白い脚本です。共演の里々佳ちゃんも徳井(義実)さんも、みなみかわさんも、みなさん楽しんで演じられています。

「俺だって意外に悩んでんだよ」と思うこともあるけれど

――渋谷先生として描かれてはいるとはいえ、普段、こんなところは見せていないはずなのに、谷中さんのこうした部分が「なぜバレたんだろう?」といった箇所はありますか?

谷中:僕は普段から、自分ではちゃんと分析して理性的に活動していると思ってるんです。でも周りの人はみな僕のことを“超天然だ”と言うんですよ。だいたい「天然ってどういうことだろう?」とずっと考えていたのですが、渋谷先生役は、自分自身をまるで分っていない天然な部分をショーアップしてもらっている感じがありますね。渋谷先生は自分自身の世界にのめり込んで、職員室でも浮きまくってるんです。デスクの上は子供部屋みたいで、自分の家のように振る舞っています。

――谷中さんのお部屋は?

谷中:あ、言われてみると似てるかもしれません。全然意識していませんでした。そういえば僕も自分が楽しいと思うもので部屋がいっぱいですね。でも興味を持ったことに集中しすぎて、周りが見えなくなるというのは、すごく幸せなことだと思うんですよね。渋谷先生もそうした集中力を持った人だなと。周りから見ると「変な人だね」と言われてしまいますが、それもリアリティがあって面白い。だいたい渋谷先生はずっと楽しそうなんですよ。いろんなことが起きても。

――そこも谷中さんと共通しているのかもしれませんね。

谷中:確かに「谷中って楽しそうだね」と言われることが多いです。僕が悩んでいることとか、度外視されてます。「いや、俺だって意外に悩んでんだよ」と思いますが、でも楽しそうに見えるほうがいいですね。

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