『ザ・バットマン』コロナ禍史上2番目の滑り出しで北米興収1位を獲得 長尺ながら高評価に
ワーナー側もこの結果には非常に満足しており、トビー・エメリッヒ会長は「プレミア上映に行き、『セブン』(1995年)のプレミアを思い出しました。観客が夢中になっているのを感じた」とコメント。配給部門を統括するジェフ・ゴールドスタイン氏も「約3時間という長さゆえに、(観客は)時間を決めて観に行くことになる。それが大スクリーンでの上映には合っているし、口コミにも良い影響を及ぼしているのでは」と分析した。
本作の完成前、ワーナーはより短いバージョンでの公開も検討していたが、テスト上映の反応が芳しくなかったため、長尺のままで劇場公開に踏み切ったとされる。この決断が結果的には成功に繋がったというべきだろう。さまざまな仕掛けを投入した『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』とは異なる形ながら、『ザ・バットマン』もコロナ禍における一種のイベントムービーとしての存在感を見せつけたことは間違いない。
なお、『ザ・バットマン』は週末の3日間を通じて高めの興行的推移を示しており、これはスタートダッシュだけに頼らない興行のあり方も予感される。ゴールドスタイン氏の分析通り、上映時間が長いために、公開直後に劇場へ行くことができないファンも少なくはないだろうし、それゆえに口コミがより長期的に広がる可能性もあるはずだ。
いずれにせよ本作のヒットは、続編が製作される可能性のみならず、HBO Maxで企画されているペンギン/オズワルド・“オズ”・コブルポット(コリン・ファレル)のスピンオフドラマにも追い風として働くはずだ。マット・リーヴスが放ったバットマンの新しい世界は、ビジネス的にもポストコロナのポップカルチャーにおいて見落とせない存在となるかもしれない。
北米映画興行ランキング(3月4日〜3月6日)
1.『THE BATMAN―ザ・バットマン―』
1億2850万ドル/4417館/累計1億2850万ドル/1週/ワーナー
2.『アンチャーテッド』
1100万ドル/3875館/累計1億27万ドル/3週/ソニー
3.『Dog(原題)』
603万ドル/3507館/累計4000万ドル/3週/UAR
4.『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』
440万ドル/2709館/累計7億8648万ドル/12週/ソニー
5.『ナイル殺人事件』
272万ドル/2565館/累計3709万ドル/4週/20世紀スタジオ
6.『SING/シング:ネクストステージ』
152万ドル/2026館/累計1億5356万ドル/11週/ユニバーサル
7.『Jackass Forever(原題)』
136万ドル/1981館/累計5445万ドル/5週/パラマウント
8.『シラノ』
68万ドル/797館/累計257万ドル/2週/UAR
9.『Gangubai Kathiawadi(原題)』
59万ドル/上映館数情報なし/累計59万ドル/1週/パラマウント・インターナショナル
10.『Scream(原題)』
57万ドル/853館/累計8022万ドル/8週/パラマウント
(※本記事の興行収入データは3月7日未明時点の速報値であり、最終確定の数値とはやや誤差が生じる可能性があります)
参照
https://www.boxofficemojo.com/weekend/2022W09/
‘The Batman’ $128M+ Opening Reps Warner Bros’ Biggest During Pandemic Era, Best Debut For Matt Reeves – Sunday Update
‘The Batman’ Lights Up $120M Overseas For $249M Global Bow – International Box Office
Box Office: ‘The Batman’ Scores $128 Million, Second-Biggest Pandemic Debut
■公開情報
『THE BATMAN-ザ・バットマン-』
3月11日(金)劇場公開
監督:マット・リーヴス
脚本:マット・リーヴス、マットソン・トムリン
出演:ロバート・パティンソン、コリン・ファレル、ポール・ダノ、ゾーイ・クラヴィッツ、ジョン・タトゥーロ、アンディ・サーキス、ジェフリー・ライトほか
配給:ワーナー・ブラザース
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公式サイト:thebatman-movie.jp