宮本侑芽、新祐樹、中島ヨシキ、朝井彩加 『今、私たちの学校は…』吹き替え声優陣の奮闘
『愛の不時着』や『梨泰院クラス』など、Netflixで人気の韓国ドラマに、日本語吹替版が収録されている。『愛の不時着』では、リ・ジョンヒョク役を『鬼滅の刃』の煉獄杏寿郎役の日野聡、ユン・セリ役を同作の堕姫役で話題を集めた沢城みゆきが務めている。『梨泰院クラス』ではパク・セロイ役を、『鬼滅の刃』の冨岡義勇役、『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない』の岸辺露伴役などで知られる櫻井孝宏が担当。ベテラン勢ならではの声の演技で、作品の新たな魅力を引き出している。
現在、Netflixで世界でも高い人気を誇っている『今、私たちの学校は…』。ゾンビから逃れて学校からの脱出を謀る2年5組のメンバーの吹き替えを、宮本侑芽や新祐樹などフレッシュな実力派声優が担当している。
『今、私たちの学校は…』は、サバイバルの過程で繰り広げられる、高校生たちの友情と絆や恋のゆくえが見どころだ。いわゆるゾンビパニックムービーとは、ひと味違った魅力がある。その中でも、クラスのイケメン男子スヒョク(パク・ソロモン)に恋心を抱きながら、幼なじみのチョンサン(ユン・チャニョン)との間で心が揺れる、ヒロインのオンジョ(パク・ジフ)を宮本侑芽が好演している。
宮本は、2013年に下野紘、内田真礼、三森すずこ、上坂すみれら人気声優が多数出演した『GJ部』に天使恵役で出演し注目を集め、2016年から『アイカツスターズ!』でメインキャストの1人である香澄真昼役を担当して頭角を現した。『SSSS.GRIDMAN』の宝多六花役、『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』の神野銘役などの人気作や、OVA作品『フラグタイム』の村上遙役など、次々とメインどころを担当。海外ドラマや映画の吹き替え経験も豊富で、韓国ドラマでは『ありがとうございます』や『仮面の王 イ・ソン』などでも吹き替えを担当している。決して特別な存在ではない、どこにでもいるような女子高生だが、そこにキラリと光る存在感を感じさせるオンジョを、自然体で演じているのが好印象だ。
そんな幼なじみのオンジョに好意を寄せる、決してイケメンというわけではないが、身を挺して仲間を守る男気を見せるチョンサンを新祐樹が演じた。新は、昨年大ヒットした『東京リベンジャーズ』で、主人公の花垣武道を演じて鮮烈な印象を残した注目の逸材。本作でも“たけみっち”ばりのしぶとさで、サバイバルを繰り広げている。
オンジョとチョンサンは、クラスの中では取り立ててルックスがいいわけでも頭脳明晰というわけでもなく、特別な武器や能力を持っているわけでもない普通の高校生。普通の高校生が、閃きと勇気と根性でサバイバルするところにドラマが生まれる。つまり普通であることが、2人をヒロイン&ヒーローたらしめている。しかし、演技として普通を演じることは難しく、それを違和感なく自然に演じて、物語へと没入させてくれている、宮本と新の演技は高く評価したい。